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2017都議選と2011大阪市議選の類似点と相違点

 7月2日の東京都議会選挙は、都民ファーストの大勝利という結果をもたらした。自民党の惨敗という表現もみられる。

 7つの一人区で6つに勝利し、13つの二人区においても5つの選挙区で議席を独占している状況などからは都民ファーストの突風が吹き荒れたことが伺い知れる。実際、三人区においては概ねトップで1人を当選させ、四人区〜八人区で複数候補者と擁立している選挙区においては、軒並み上位を占めるという驚異的な強さを示している。

 選挙結果については、様々な観点から様々な総括や分析がされているが、6年前に橋下代表(当時、大阪府知事)率いる大阪維新の会の猛威を経験した人間の一人として、少し細かい点であるものの選挙結果として興味深い点について書き留めておきたい。


 当初の予想を大きく違える大勝利という点においては、2011年の大阪市会議員選挙とも似ている。同年の大阪府議会議員選挙においての傾向も同様である。大阪府議会議員選挙区においては一人区が多い。一方で、大阪市会議員選挙区では一人区はなく、二人区〜六人区となっている。よって、選挙区の構図としては、府議より大阪市会議員選挙の方が東京都議会議員選挙の選挙区構図に似ているということが言える。

 2011年の大阪市会議員選挙は、民主党政権(第2次菅内閣)であったことなどバックグラウンドが2017年とは大きく異なる事も考慮する必要があるが、都議選において都民ファースト公認の候補者が2名擁立されて当選されている状況と2011年大阪市議選において大阪維新の会の公認候補者が2名擁立されて当選されている状況については、類似点と相違点がある。

 類似点。。。政党としての成熟度が低く、組織政党化されていないにも関わらず、公認候補者二人の票数にあまり開きがない。外形的に票割りができているかのような得票結果となっている。

 相違点。。。2名の公認候補者が現職と新人となっている選挙区において、東京都議選では新人が上位当選となっているケースがほぼ全てであるのに対して、大阪市議選においては現職が上位当選となっていた。


 類似点の最たる例は、練馬区ではないだろうか。同じ元区議会議員の36歳と28歳の男性候補者の得票数は共に5万3千台という高得票数であるのに、票差は僅か168票。これほどの近似値ではなかったが、大阪市会議員選挙においても同様のケースが複数みられた。

 実は、選挙研究をされている方にお聞きすると、この様な綺麗に票割りがされる結果となるのは、サイコロをふって奇数と偶数がでる数が2等分されるのと同じく確率の話なのだそうだ。有権者は、当該政党に投票したい(サイコロをふりたい)わけなので、結果は自ずと差がでないということらしい。都議選の結果は、より明確に、この現象を証明している。

 一方、相違点は興味深い。本来であれば知名度という点において現職が優位となると考えられる。しかしながら、東京都議選では新人の方がより強い傾向にあったのだ。「古臭い都議会を変えるのが東京大改革」と小池代表が表現してきた様に、現職候補者は新人候補者と比較して「古臭い」のマイナスがあったのかもしれない。


 総論としては、冒頭記載の一人区や二人区での議席獲得状況や三人区〜八人区における勝ち方及び最終過半数を取る状況を考えれば、大阪市会議員選挙と類似しつつも、それをも上回る力学が働いたと見てとれる。
 
 最後に、自民党の負け方についても反省の思いを込めて綴っておきたい。都民ファーストの猛威による負けが第一段階。そして、三人区〜八人区の最下位当選ラインにおける敗北が第二段階だと感じる。第一段階については、ある種避けようのない猛威だったとふり返る。第二段階の競り負けは、やはりマスコミなどで報じられる選挙直前から期間中にかけての国政課題が深く影を落とす形になったのではないかと思われる。

 東京も大阪も都市部であるが故に、大きな波にのまれることがある。浮動票が多いとされる地域である。東京は大阪以上に国政の影響を受ける地域でもある。安倍総理は「政権奪還依頼の驕りがあったのではないか」と反省の弁を述べられている。

大阪においては、実は「政権奪還以前からの反省が未だできていない状況もある」様に感じる。東京でも一部そうなのかもしれない。すなわち、政権奪還が実現したのは民主党政権がダメだったから。自民党が信頼を回復したわけではない。その後も実は、その状況は続いている。よって、国民・都民・市民は、「自民党がダメ⇒民主党がダメ」となれば、まずは自民党に託す部分があるかもしれないが、自民党以外に託せる思いを抱く政党があれば、なんの躊躇もなく別の政党を支持するということなのだ。
 
 自民党が、本当の意味で、地域から有権者に期待される対象としての行動を地道にコツコツ、そして時には派手に見える形・見せる形で行っていかなければならない。

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