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人工知能を政治改革に使ったらどうなるか

 昨夜のNHKスペシャル「人工知能・天使か悪魔か2017」を見た。将棋の羽生善治が登場して、さきに人間が完敗した「電王戦」を解説しながら、人工知能(AI)と人智との違いを考察していた。

 将棋での「実力」としては、何万もの対局譜を学んでいる人工知能に勝てる棋士は、すでに存在しないのだそうだ。逆に、AIと対戦することで、今まで思いつかなかったような新しい指し手を、教えられることもあるということだった。

 その他、タクシーの乗車効率では、ベテラン運転士の「カン」に頼るよりも、AIで確率を計算した客探しの方が良い結果が出ることが報告されていた。この場合は、周辺の人と車の密度と流れ方など、情報の質と量が決め手になるから、当然の結果のようにように思われた。

 さらに海外では、バスの運転士の中から事故を起こしやすい傾向を持つ者を選別する例や、アメリカでは犯罪者の前歴から将来を予測して、刑期や再犯防止策を決めるなどの例が報告されていた。個別の適切な対応ができるから公平だとも言えるが、その一方ではデータ分析で人間を評価し「決め付ける」危険をはらんでいる。「悪魔か天使か」というのは、その両面を指しているのだろう。

 人は大悪人でも、あるきっかけで大善人に変身することもある。その場合はどうするか。新しいデータのフィードバックを迅速にして、直ちに基本情報を更新すればいいのだろうか。そんなことができるのだろうか。

 それよりも、番組を見ているうちに、こんなことを考えた。政治的判断のある分野は、人が介入せずに人工知能に任せたらどうなるのだろう。人間がらみの情実などに左右されることなく、無駄のない合理的な結論が出せたりしないだろうか。その場合は、判断の基準になるデータの入力が大切になる。その部分は、優秀な官僚機構に任せておけばいいのだろうか。

 そこまで来ると、政治改革以前の「役人の自動運転に乗っかっている保守政権」を思い出してしまう。それを打破しようとして「戦う政治」を挑んだ長妻昭らの改革運動が、一度は民主党による政権交代を実現させたのだった。

だか、その後から現在に至るまでの政治の状況は、以前よりもさらに悪くなっているように感じられる。国会は政治的選択を議論する場ではなくなって、「数で押し切って何でも決めてしまう手続き」の場となった。今の多数が将来のための正義である根拠は何もない。独裁者になりたいらしい特異な人格の欲求を満たすための場となってしまったように見える。

 今回は2020年という年月を限って憲法の「改正」を言い出した。国民投票という最後のハードルはあるとしても、今の劣化したマスコミが政府に迎合して動いたら楽観はしていられない。彼は本気でいる。自分の使命だと思い込んでいる。そこが危ない。

 これに対抗するために、人工知能を持ちだしたらどうだろう。憲法9条を保持している日本と、改憲後の日本と、どちらが平和でいられるかを判断させたらどう答えるか。私は答えは明らかだと思うのだが。

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