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「東芝メモリ」売却、ベインキャピタルの立場

すでに報道されているように、東芝は、半導体子会社「東芝メモリ」の売却先として、政府系ファンドの産業革新機構、日本政策投資銀行、米投資ファンドのベインキャピタル、韓国SKハイニックスを主軸とする「日米韓連合」を優先交渉の相手先に選びました。

※東芝本社

この決定については、さまざまな指摘がなされています。私も、経産省の主導の救済が過去、成功した試しはなく、「東芝メモリ」売却もうまくいくのだろうかと思いました。

ただ、今回は、これまでの政府介入とは、少し、様相が異なるんですね。なぜなら、巨額ディールの引き受け手に、米投資ファンドのベインキャピタルが入っているからですね。

ファンドというと、“ハゲタカファンド”を思い浮かべますが、ベインキャピタルは、“ハゲタカ”とは一線を画す、プライベートエクイティ・ファンドです。

ベインキャピタルは、1984年に設立され、米国マサチューセッツ州ボストンに本社を置いています。マサチューセッツ州知事、前米国大統領共和党候補だったミット・ロムニー氏は、創業者の一人です。

プライベートエクイティ・ファンドは、投資家から資金を調達し、その資金で株式非公開企業に投資を行います。再生にあたっては、経営戦略のプロフェッショナルとオペレーション支援チームが経営陣を支援するんですね。

では、なぜ、そのベインキャピタルが「東芝メモリ」に投資しようとしているのか。ファンドが投資するのは、リターンが確保できるからですね。つまり、今後、スマホの頭打ちでスマホ用の半導体の需要が減退しても、IoT、AI、ビッグデータなどで、半導体市場は拡大すると見ているんですね。

また、「東芝メモリ」は、NAND型フラッシュメモリで、サムスンに次ぐ世界第2位のシェアを誇っています。「東芝メモリ」自体は健全な企業体として十分、世界と闘っていけると踏んでいると思います。現に、黒字会社でもありますからね。

ベインキャピタルは、数年後に「東芝メモリ」を上場し、リターンを得ることができる――という読みだと思います。つまり、IPOですよ。

ただ、不明瞭な点はあります。ベインとSKハイニックスの関係は、いまひとつよくわかりません。ベインがハイニックスを連れてきたといわれますが、ハイニックスは融資するとなっています。これが何を意味するのか、明らかにされていません。つまり、ハイニックスの狙いがわからない。

東芝は、28日に開かれる株主総会までに最終合意を目ざすとしています。売却に異議を唱えるWD(ウエスタンデジタル)がどう動くか。着地がうまくできるかどうか、一抹の不安はありますが、この“寄合所帯”には、さまざまな思惑が入り混じっているということは確かではないでしょうかね。

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