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景気を5分で理解したかったら、月例経済報告を覗いてみよう - 塚崎公義(大学教授)

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月例経済報告が発表になりました。政府の景気判断を示した重要な文書なので、ニュースでも採り上げられますが、実物を見た事がある人は少ないかも知れません。よろしければ、一度覗いてみませんか?

■株の短期売買やFXで儲けたいなら月例経済報告は不向き

「景気について知りたいが、何を見たら良いのかわからない」という人は少なくないでしょう。今は情報が溢れていますから、どこでも景気に関する情報を得る事が出来ますが、かえって何を見れば良いのか迷ってしまいますね。

景気について知りたいのは、何のためですか?景気そのものについて知りたいからですか?それなら、月例経済報告はお勧めです。でも、「株の短期売買やFXで儲けるために景気の事を知っておきたい」のであれば、月例経済報告ではなく、マーケット・エコノミストの書いた物を読みましょう。

景気を語る人は多いですが、彼等は経済学者(経済学理論を重視する人)、エコノミスト(景気そのものを予測している人)、マーケット・エコノミスト(株や為替を予測するために景気の話をしている人)、破綻シナリオ論者(いつでも破綻シナリオを述べ続けている人)に分けられます。最初と最後はともかくとして、エコノミストとマーケット・エコノミストの情報は使い分けましょう。

マーケット・エコノミストは、株価や為替の投資家を対象に情報を提供しています。純粋に景気を語る人に比べると、「金融市場参加者が知りたい情報、たとえば日米金融政策、米国雇用統計、日本の日銀短観、等」に関心を集中させています。市場は「美人投票」の世界なので、他の投資家が注目している物を自分も注目する必要があり、経済の全体を万遍なく見渡していては利益が得られないのですから、市場参加者向けの情報提供が万遍ない情報となっていないのは、当然の事ですね。

■内閣府と日銀は、景気調査の最高峰

景気そのものを知りたいのであれば、エコノミストの書いた物を読みましょう。エコノミストは大勢いますが、日本の最高峰のエコノミスト集団は内閣府と日銀です。内閣府は、政府の経済政策を考えるために景気を知りたいですし、日銀は金融政策を考えるために景気を知りたいですから、コストをかけて景気調査を行なっているのです。

バブル頃までは、景気調査に注力している民間金融機関等もありましたが、バブル崩壊で余裕が無くなってしまったので、以前ほど景気予測にコストをかけられなくなってしまったのです。マーケット・エコノミストの情報は投資家を集めるために有効に使えますが、エコノミストの情報は借り手を集めるための手段としては今ひとつなのです。そこで、金融界が発する情報がエコノミスト情報よりもマーケット・エコノミスト情報にシフトして行ったのです。かつて金融機関のエコノミストであった筆者としては、個人的には残念な事ですが。

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