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【アマゾン】、自宅を試着室にするサービス!通販最大手の自由返品で柳井さんも真っ青?



■ネット通販最大手のアマゾンは20日、プライム会員向けに衣料品などを試着して購入できる「アマゾン・プライム・ワードローブ(Amazon Prime Wardrobe)」を発表した。

 新サービスはアメリカ小売業界で古くからある返品制度を生かしたサービス。対象となるファッションアイテムは婦人服や紳士服、子供服、靴、アクセサリーなど100万点以上で、カルバン・クラインやリーバイス、アディダス、ヒューゴボスなどブランド商品も含まれる。利用者はこれらのファッションアイテムから3アイテム以上を注文する。受け取りから7日以内に返品すればお金がかからない。配送料や返品時にかかる送料も無料となる。

 注文した商品の中から3〜4アイテムを購入すると合計額から10%が引かれ、5点以上の購入では20%オフとなるディスカウントが適用される。決済は実際に購入する商品を選んだ後に行われ、プライム会員であれば追加料金なしでサービスを何度でも利用することが可能。なお返品は送られてきた箱に詰めて返送する。

 プライム・ワードローブでは返送しやすいようにプリペイドラベル(送料前払い済みの発送ラベル)が同封されており、また梱包しやすいダンボールにもなっている。現在はテスト段階となっており、登録しておけばサービス開始時に通知を受けることができる。

 試着から販売するEコマースの事例ではメガネ販売のワービー・パーカー(Warby Parker)や靴のザッポス(Zappos)、ファッションではスティッチフィックス(StitchFix)やノードストローム傘下でメンズカジュアルウエアのトランククラブ(TrunkClub)などがある。これらの企業では送料・返品がすべて無料であり、自宅で気軽に試着して選べることから売上を伸ばしている。一方で返品率は高くなり、商品によっては返品率が40%近くに達する。

 プライム・ワードローブの拡大でファッションを販売する小売チェーンやデパートメントストアへの影響はさらに大きなものになる。メイシーズなど大手チェーンストアは再び大量閉店に追い込まれるのだ。

トップ動画:アマゾンが発表した新サービスの「アマゾン・プライム・ワードローブ(Amazon Prime Wardrobe)」。プライム会員の利用者はファッションアイテムから3アイテム以上を注文する。受け取りから7日以内に返品すればお金がかからない。配送料や返品時にかかる送料も無料なのだ。これでは益々、お店に行かなくなる。返品に厳しいユニクロは苦戦するのだ。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。コンサルティング・セミナーで最初に学んでいただくのがアメリカ小売業の返品制度です。返品制度とは「100%満足度保証」です。「気に入らない(I don't like it)」という理由だけで(理由さえ問われないことも)、購入した商品を使い倒していても返品できるのです。これまで私は500ドル以上のコピー機からアイフォン5、アイパッドプロ(9.7インチ)、ミールキットなど高額品から食べ残し、賞味期限切れ食品まで様々な商品を返品してきました。返品時にスタッフに怒られたことも嫌味を言われたこともありません。

 返品の話をすると、多くのクライアントはショックを受けます。商人としてやりきれない気持ちになり、怒りというか苛立ちを後藤にぶつけてくる人もいます(笑)。気持ちは理解できます。が、「アメリカの返品制度は良いか、悪いか」ということ論じても意味はありません。100年前のシアーズ・カタログには「100%満足度保証」のミシンがありますし...

⇒返品はアメリカの商習慣です。コストコ(家電品以外)やエディ・バウアーのように返品期間などの条件を設けていないところもあります。ところでウォルマートの粗利益率は25%前後、ターゲットも約30%です。日本の大手ディスカウンターに比べて粗利益率が高いのは返品によるコスト(実店舗の返品率は平均で7%)を織り込んでいるからです。

これを知らないで苦労しているのはユニクロです。アメリカのユニクロの店舗返品ポリシーを見ると「商品はパッケージからタグ、ラベルまで全く販売時の状態であること(All merchandise must be returned in the original selling condition and include the original product packaging, tags, and labels)」と条件が記されています。例えばヒートテックのパッケージの封を切ったら返品不可です。紙切れのタグでさえ失くすと返品できません。コストコでヒートテックの類似商品(32 Degrees)がクーポンで約6ドルで販売されている中、20ドルもするヒートテックを買うアメリカ人はいません。

16年2月1日 - 【返品】、寛大な条件ほど売上増!ユニクロのヒートテックはアメリカでなぜ売れないか?

⇒ちなみにヒートテックはお店で試着もできません。試着専用のヒートテックでしか試着を許していないのです。ユニクロはなぜ厳格な返品制度なのかというと、ファーストリテイリングのトップであるCEOの柳井正さんがアメリカ小売業の現実を視ていないからです。消費者としてアメリカで買い物もおこなってもいないでしょう。ユニクロのアメリカ進出時にアドバイスを求める相手が取引先や関係先など、自分たちの都合の悪い情報をユニクロに教えない人たちだったこともあると思います。商習慣となっているアメリカの返品制度を知らないから、コスト削減という視点で一方的に顧客に厳しい対応をとるのです。

ショッピングセンターの集客数が減少している昨今に厳格な返品条件での販売では、アメリカのユニクロが低迷するのは当然です。しかも今後、アマゾンが自宅で試着&返品OK、送料無料、返品無料でファッションを積極的に販売するのですから、アメリカ人によく知られていないファッションチェーンは益々、苦戦するでしょう。

 柳井さんが真っ青になる前に「(アメリカ小売業の)現実を視よ」です。現実を視たい、勉強したい場合は、私にコンサルティング依頼してください。当社のコンサルティングは、満足いかなければコンサルティングフィーを返金する「100%満足度保証」ですよ。ユニクロほど厳しくありません。

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