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ファストリを上回る商品回転スピード! しまむらの収益構造を徹底分析!

 競争が激化する低価格衣料の世界で、「店舗間商品移動」や「商品の完全買取制」を武器に高い収益を上げている「しまむら」。その強さをあらためて分析してみよう。

ファストリを上回る、しまむらの商品回転スピード

 衣料品売上高で「ユニクロ」のファーストリテイリング(9983)に次ぐ、しまむら(8227)を徹底分析してみよう。

 ファミリー層を主なターゲットに、日常生活で使用する衣料品を低価格で提供しているしまむらも、プライベート・ブランド(PB)商品の開発に注力していることはいうまでもない。ただし、基本は仕入が中心であり、SPA(製造小売業)のファーストリテイリングとは、大きく異なる点である。

 しまむらを得意先としているのは、繊維商社のタキヒヨー(9982)や衣料品製造卸のクロスプラス(3320)、ストッキングやインナーのアツギ(3529)などである。


 もう1点、しまむらとファーストリテイリングで異なるのは、店舗における商品の回転日数だ。商品回転数は、表にあるように売上高と期末在庫から計算することができる。そして、1年365日を回転数で割れば、商品が1回転するために要するおおまかな日数がわかる。

 しまむらのそれは、30日前後。つまり、しまむら各店に陳列されている商品は、およそ1か月で入れ替わっていることになる。

 同じ計算をすれば、ファーストリテイリングはおよそ2か月だが、同社の商品回転日数が長いわけではなく、平均よりは短い方である。それだけ、しまむらの商品回転スピードが速い、いということだ。

 1品単位で管理している商品をより売れる店舗へ他店舗から移すという「店舗間商品移動」や、売れ残りを残さないための値引きのタイミングの判断などがあって、超高速の回転率を実現しているのだろう。いずれにしても、「商品の完全買取制」を武器に、低価格化路線を進めるしまむらの根幹がこの商品回転日数に示されている、といっていいだろう。

給与は増額、小売業では珍しい社員の定着率

 しまむら各店の平均像も見ておこう。しまむらの店舗に足を運ぶ顧客は、1点900円前後の商品を3点、合計では2600円前後の買物をするようだ(「しまむら」業態の平均)。

 そんな顧客が1日に340人弱、各店のレジに並ぶ。対応するスタッフは8人強。1日の仕入高はおよそ50万円で、売上高は75万円前後。1日に5万円から6万円の利益を出していることになる。建物など店舗の資産価値は6000万円台である。

 しまむらの年間納税額は150億円前後、配当は70億円強での推移だが、会社としての収支を1000円の商品にたとえてみよう。

 原価は670円前後で、経費は250円を切る。残りの80円前後が儲け(営業利益)ということになる。小売業としては、原価率はかなり高いといっていいだろう。それをカバーしているのが、低い経費率である。店舗のローコスト運営を実現していることで結果的に、小売業としては水準以上の利益を出している、と見ていい。

 そして人件費は、経費全体の4割強を占め、1000円につき110円といったところだ。表でも明らかなように、従業員の平均給与は増額での推移である。まして、従業員数も増えていることで、人件費総額そのものも17年2月期は、15年2月期に比べて58億円以上増えているが、売上高も伸ばしていることで、人件費の割合は1000円につき110円という水準を維持しているわけだ。

 600万円近い従業員給与の平均額はともかく、40歳前後の平均年齢や13年前後の平均勤続年数に注目したい。小売業としてはあまり見かけない平均値である。定着率がいいのだろう。

ビジネスリサーチ・ジャパン[著]

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