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驕り(おごり)

  第1次安倍内閣から野田内閣まで短命政権がしばらく続いた後に誕生した第2次安倍内閣に対して、国民は長期政権化を期待していました。経済、外交・安保などの安定を望んでいたからです。この国民感情が内閣支持率の高値安定を底支えしていました。しかし、安倍内閣発足から4年半が経過し、長期政権のおごりが目に余るものとなってきました。

  第1は、数の力による強権的な国会運営です。総理自ら、国会を内閣の下請け機関であるかのごとく見下すような発言を繰り返し、国会審議においては挑発的、攻撃的な姿勢に終始してきました。

  極めつけは、内心の自由を侵し、国民総監視社会につながりかねない「共謀罪」法案の成立強行です。委員会採決を省略し、本会議で強行採決するというだまし討ちとしか思えない奇策に出てきました。常軌を逸しています。この暴挙の背景には「加計隠し」という狙いが透けて見えます。

  すなわち第2は、政治の私物化です。安倍総理自ら「腹心の友」と語る人物が理事長を務める加計学園の獣医学部新設にからみ、政府内では、「総理のご意向」であるとして、その威光により特例的な対応がなされてきました。「瓜田(かでん)に履(くつ)を納(い)れず」という故事があります。瓜(うり)を盗むのかと疑われるので、瓜畑では履が脱げても履き直すなというたとえです。総理に噛み締めてほしい戒めです。

  総理夫人が名誉校長を務めていた森友学園の小学校設置問題も忘れてはなりません。国民の大切な資産である国有地が、不可解な安値で売却されたことは明らかです。「李下に冠を正さず」という故事もあります。スモモの木の下で冠をかぶり直そうとして手を上げると、実を盗むのかと疑われるから、そこでは直すなという意味です。総理にはこの言葉も戒めとして知ってほしいものです。

  おごりの第3は、これらの疑惑に関わる不都合な情報を徹底的に隠蔽し、国民への説明責任を果たそうとしない不誠実な姿勢です。加計学園・森友学園疑惑は、「お友だち優遇政治」とも言うべき新たな利益誘導政治であり、政治腐敗の復活と言うほかありません。多くの国民が「瓜田に履を入れ、李下に冠を正し」、瓜やスモモを盗んだのではないかと疑っています。

  しかし、政府は一体となって資料を隠したり、いい加減な調査をしたり、その結果報告を遅らせたりしてきました。

  おごりの第4は、恐怖政治まがいの政治手法です。経緯をよく知る前文部科学次官の告発は黙殺、挙げ句の果てには前次官に対して執拗な人格攻撃を加え続けました。文科副大臣は、内部告発への報復と威嚇を示唆するような発言をしました。自分と異なる意見を認めず、権力に楯突く者はねじ伏せようとする政権が、「共謀罪」という手段を新たに手に入れました。官僚のみならず国民が萎縮しかねません。

  国会は閉会しましたが、安倍政権とは断固戦い続けます。

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