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商業出版社による個人ブログからの「パクリ疑惑」について

昨日、古い友人である「まさむね」さんからメールが来ました。内容は「自分のブログの記述が、商業出版に盗用されてしまったようだが、どうすればよいのか」というものでした。

まさむねさんと俺は、ここ10年ほど疎遠になっていたのですが、久しぶりに連絡があったと思ったら、いきなりこの相談です。昔から趣味の多い人でしたが、最近は家紋の研究に凝っているようで、「一本気新聞」という彼のブログに、家紋について詳しく調べた結果を載せているのです。ところが、つい最近コアマガジンから出された「家紋の不思議」というムックの中で、まさむねさんが書いたブログエントリの記述に酷似した記述を発見し、子細につき比べて見た結果、「これは自分の記述を無断で借用したものではないか」との疑いを強めたそうです。

http://www.ippongi.com/2009/11/28/
↑一本気新聞「家紋文化が認知されるのは嬉しいが、これはちょっと..」

詳しいことは上のまさむねさんのエントリをお読みください。そこに掲載された対比表(まさむねさん作成)を見る限りでは、まさむねさんの記述と、まさむねさんが引用した「家紋の不思議」の文章には、かなりの類似性が確認できることは確かです。普通の日本語読解力を持った人なら、「これはパクリではないか」と考えたとしても無理はないと思います。

http://www.ippongi.com/2009/01/19/
↑一本気新聞「有名人の家紋」



↑一本気新聞「家紋文化が認知されるのは嬉しいが、これはちょっと」より。対比表

俺は、「家紋の不思議」をまだ読んでいませんので、今はこれ以上踏み込んだことは書けません。同書を入手したうえで、改めてこの件についての見解を書きたいと思います。今回エントリを立てた理由は、まさむねさんからの電話で、

「今回の件について、今はことを大きくしたくないのですけど、ひとつ困っているのは、何も知らない読者から、僕が『家紋の不思議』の記述をパクったと勘違いされることです」

と言っていたからです。奥付を見ればわかると思うんですけど、『家紋の不思議』は2009年12月2日発行(アマゾンによれば10月発売)で、まさむねさんのエントリが書かれたのが今年の1月ですから、まさむねさんが『家紋の不思議』からパクることは、時間が逆さに流れない限りありえません。その逆はあり得ますけど。

まさむねさんからのメールには、「こういう場合の、(出版)業界のガイドライン」はあるのでしょうか」という質問もあったんですが、僕は彼に電話を入れて、

「盗用が発覚した際の業界共通のガイドラインがあるのかどうか、僕は知りません。被害者が弁護士に相談して、過去の判例などから大まかな基準を知ることができますが、結局は相手の誠意ある対応に期待するか、あるいは裁判に訴えるしかないと思います。

ある記述が盗作か偶然の類似かということは、実際には微妙な問題をはらんでいて、ケース・バイ・ケースで対応するしかありません。かりに裁判を起こして勝ったとしても、せいぜいが2〜30万とれるかどうかで、弁護士費用やかける手間を考えれば、訴えた側が失うものが大きいのが実情です。今回のケースは、分量としてもそれほど多くはなく、もし剽窃であったとしても被害者が泣き寝入りするだろうということを狙った、セコいパクリの可能性があります。

こうした場合、僕がお勧めするのは、 自分のブログで類似している事実を一般公開することだと思います。だいたいこういうことをする相手というものは、裁判を起こされることよりも「パクリ行為をバラされる」ことの方を嫌がる傾向があります。 もしパクリでないなら、これは偶然の一致だと何らかの表明があるでしょうし、もしパクリであって、悪いことをしたという自覚があるなら謝罪があるでしょう。

もし何も反応がなくとも、自分の記述は『家紋の不思議』の前に書かれていることを広く表明しておくことは、まさむねさんの杞憂の解消することになるでしょう。僕も、まさむねさんのブログにリンクを貼って、このことを世間に伝える手伝いくらいはできると思います。」

ということで、まさむねさん、エントリにしましたよ。いや、実は俺、こういう相談を受けることが時々あるんです。3年ほど前にも、あるアニメ研究者のサイトから、苦労して彼が作った作品リストがある単行本にそのままパクられ、そのときの版元との対応で「被害者」である彼が精神的に疲れ果てるようなこともありました。

また、「漫棚通信」さんのサイトから、ライターの唐沢俊一氏が記述をまるまるパクってネットで大トラブルに発展したことも記憶に新しいところです。唐沢氏の著作からは、その後も「ネットからのパクリ疑惑」が次々に発見されているようで、以下のような検証サイトが続々作られています。

http://www13.atwiki.jp/tondemo/
↑唐沢俊一まとめwiki

http://d.hatena.ne.jp/kensyouhan/
↑唐沢俊一検証blog

http://tondemonai2.blog114.fc2.com/
↑トンデモない一行知識の世界2

こうした事例は、ネット時代になって無数に発生しており、今回の『家紋の不思議』についても、おそらく担当したライターがまさむねさんのブログを参考にしていながら、参考文献や出典を明記しなかった可能性が高いと思われます。こおの程度なら、まあいいかとやってしまった可能性があるのですが、ネットからパクればネットでバレることは当然の理です。ネットを利用する物書きとして、俺も他山の石にしなければなりません。

この件については、近日中に続きのエントリを書きたいと思っていますが、今は猛烈に忙しい時期なのでしばらくお待ちください。

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