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共産党が信用できないわけ②――まやかしの〝護憲〟ポーズ

「世界に誇る9条を守れ」

 2017年5月3日の憲法記念日、野党4党の「5.3憲法集会」に出席した日本共産党の志位委員長は、冒頭こう訴えてみせた。

 日本国憲法施行から70年。一部から「70年たつのに憲法を変えていないのはおかしい」という声が聞こえてきます。しかし、70年間、変える必要がなかったというのは、日本国憲法がいかに立派な、進んだ憲法であるかを証明するものではないでしょうか。変えるべきは憲法ではなく、憲法を蔑ろにした政治ではないでしょうか。

 今回の東京都議選でも、日本共産党はあえて都政とは関係のない「憲法9条」を争点だと主張し、

「安倍自公政権による憲法破壊から世界に誇る9条を守れ」の声を日本共産党にこぞっておよせください。(しんぶん赤旗5月28日)

などと繰り返している。  実際、日本共産党は〝護憲政党〟だと信じている人も少なくないだろう。

日本国憲法に反対した政党

 しかし、じつは護憲どころか、日本国憲法が制定される際、唯一これに反対した政党こそが日本共産党なのだ。
 今の日本国憲法の草案が審議されていた当時の帝国議会議事録は、誰でもインターネットで検索・閲覧することができる。

 1946年6月25日、第90回帝国議会の衆議院本会議が開会し、吉田茂首相は日本国憲法草案を提出した。
 ところが4日後の6月29日、日本共産党はこの日本国憲法の草案に反対して「日本人民共和国憲法草案」なるものを発表する。
 それは、「天皇制の廃止」を掲げ、「侵略戦争」は否定するものの「戦力の不保持」には触れないという、明らかに今の日本国憲法とは異なるものだった。

 一方、国会では各会派からの提案をもとに最終的修正を施したのち、8月24日に、最終評決のために本会議が招集された。  小委員会と特別委員会の委員長を兼任した芦田均は、戦前の過ちに触れ、日本を民主的で文化的な国家として再建するため新憲法制定の重要性を報告した。
 この採決のための本会議で反対討論に立ったのが日本共産党なのである。

「9条は平和主義の空文」

 日本共産党の野坂参三は、まず憲法の第1章にある「天皇」について、皇室制度の存続に反対することを延々と述べる。  そして、次に反対したのが、なんと「戦争の放棄」を定めた第2章の9条だった。

 芦田委員長およびその他の委員は、日本が国際平和のために積極的に寄与することを要請されましたが、もちろんこれはよろしいことであります。  しかし現在の日本にとってこれは一個の空文に過ぎない。政治的に経済的にほとんど無力に近い日本が、国際平和のために何がいったいできようか。  このような日本を世界のどこの国が相手にするであろうか。われわれはこのような平和主義の空文を弄する代わりに、今日の日本にとってふさわしい、また実質的な態度をとるべきであると考える。(「帝国議会議事録」昭和21年8月24日衆議院本会議/現代かなづかい・常用漢字に改めた)

 驚くことに日本共産党は、戦争放棄を定めた憲法9条を「一個の空文に過ぎない」「平和主義の空文」と罵倒して一蹴したのだ。  さらに、重ねてこう演説した。

 要するに当憲法第2章は、我が国の自衛権を放棄して民族の独立を危うくする危険がある。それゆえに我が党は民族独立のためにこの憲法に反対しなければならない。(同)

 自衛隊の廃止を叫んでいる日本共産党は、なんと憲法制定時には、9条が〝わが国の自衛権を放棄して民族の独立を危うくする〟として反対していたのである。

「わざわいをのこす憲法」

 野坂はさらに、

 これは羊頭狗肉の憲法である。財産権を擁護して、勤労人民の権利を徹底的に保障しない憲法である。わが民族の独立を保障しない憲法である。天皇の特権である参議院の存在は、明らかに官僚や保守反動勢力の要塞となると共に、わざわいを将来にのこす憲法である。(同)

と、日本国憲法を〝羊頭狗肉の憲法〟とまで、口をきわめて罵り、

 当憲法が可決されたのちにおいても、将来当憲法の修正について努力するの権利を保留して、私の反対演説を終わる次第であります。(同)

と締めくくった。  今ごろ、しれっとした顔で「70年間変える必要がなかった立派な進んだ憲法」などと言っているが、歴史的な日本国憲法の採決にあたって、まっ先に将来の〝憲法の修正〟を宣言した政党こそ日本共産党だった。

スパイだった共産党議長

 これら各会派の最終演説のあと採決に入り、日本国憲法草案は429対8で可決成立した。
 反対票を投じた8名のうち2名は党議拘束を受けなかった他党の議員。あとの6名は日本共産党である。憲法9条に明確に「反対する」と最終演説して、唯一、政党として日本国憲法に反対したのが日本共産党なのだ。

 野坂参三は1922年の共産党結党に参加した最古参幹部であり、1958年から82年まで党の議長も務めた。
 だが2002年になって、日本共産党は既に100歳であった野坂を除名した。ソ連崩壊後に流出した文書によって、野坂がソ連のスパイだったことが判明し、本人も認めたからというのが除名理由だった。
 冷戦の渦中、日本の共産化を扇動するため、〝ソ連のスパイ〟が日本共産党の議長を24年間も務めていたことを、日本共産党自身が認めたのである。

「社会主義・共産主義をめざす」

 同党はいつのまにか〝護憲政党〟を装い、

 現綱領では「象徴天皇制を含む憲法の全条項を守ること」を明記している。(2016年3月4日付「赤旗」)

などと弁明しているが、とんでもない。

 まずツッコミどころは、2004年改定の綱領になって、ようやく初めて「憲法の全条項を守る」と表明したような政党だということだ。
 しかし、日本共産党が依然として日本国憲法を守る意思のない政党であるもう1つの明確な証拠も、その現在の綱領(「日本共産党綱領」)を読めば明らかだ。
 そこには「資本主義の枠内で可能な民主的改革」という段階を経て「社会主義・共産主義の社会への前進をはかる」という2段階革命論が展開されている。

 今は、国民の目をあざむくために「象徴天皇制を含む憲法の全条項を守ること」を書き入れていても、同時にその綱領の全体が、象徴天皇制など日本国憲法の定めた現体制を否定する「社会主義・共産主義の社会」をめざすことを謳いあげている。これほどの自己矛盾と欺瞞はない。
 憲法制定時にこれに反対し、党名に「共産主義」を掲げ、党綱領で日本の社会主義化・共産主義化をめざしながら、しゃあしゃあと〝憲法を守れ〟と口にする日本共産党。
 まやかしの〝護憲〟ポーズにごまかされてはならない。

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