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債券先物中心限月が9月限に交代、この債券先物の仕組みについて

 

6月12日に債券先物9月限の売買高が6月限の売買高を上回ったことで実質的な中心限月の移行となった。ただし、取引所での中心限月の交代は、正式にはイブニング・前場・後場のオークション取引(つまり立会外取引除く)の出来高が逆転した翌営業日から中心限月の定義が変わる。つまり13日となる。この13日が債券先物6月限の取引最終日となっていた。

 今回はこの債券先物の仕組みについて確認してみたい。債券先物の受渡日は3月、6月、9月、12月の20日(休業日にあたるときは順次繰り下げ)と決められており、この取引期限を限月(げんげつ)と呼んでいる。限月の取引最終日は各限月20日の6日前となっている(休業日は除外する)。

 取引限月が3か月刻みである理由として、当時の債券現先取引などの利用期間がおおむね3か月となっていたことや、日本の国債の利払いが半年ごとであったこと、さらに世界的に金融先物の限月は3か月刻みが標準となっていたことなどが挙げらている。

 ただし、この世界的に3か月刻みとなっていたのは、現在の金融デリバティブの原型となっている堂島の米の先物取引、つまり帳合米商が影響していたのではないかとも思われる。帳合米商では1年を春夏冬の三期にわけてそれぞれ4月28日、10月9日、12月24日を精算日としていた。

 受渡日の近い先物限月のことを期近物、もしくは当限(とうぎり)と呼ぶ。また、受渡日が期近物よりも遠いものは期先物と呼んでいる。そして、出来高が最も多い限月を中心限月と呼ぶ。日本の債券先物については、海外の債券取引などに比べて、取引最終日近くまで最も取引期間の短い期近物が中心限月となり、売買がこれに集中しているという特性がある。

 債券先物の売買の最低単位は1億円(ミニは10分の1)、呼値の単位(価格の最小単位)は額面金額100円につき1銭として裸相場で行う。裸相場とは、経過利子を含まない債券価格のことを示す。このように債券先物は債券であるにもかかわらず、現物債のように利回りで売買されるのではなく、常に価格で売買されていることが特徴となっている。これは債券先物の標準物が、常に利率と残存年数(10年)が同じになるように作られ、価格と利回りが常に一致するためであり、そのため価格の連続性が保たれている。

 債券先物では取引を集中させるため、額面100円、利率6%、残存期間10年の仮想国債を「標準物」としている。決済期日が各限月の20日と固定されているので、売買した日が異なっても残存年数は常に10年であるこの標準物の国債は、現実には存在しない架空の債券である。標準物を取引対象にすることで、対象銘柄を変更する必要がないし、個別銘柄の属性を意識することがない。価格の連続性が維持されることになる。

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