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「カール」販売中止は駄菓子崩壊の序章

今年5月、明治はスナック菓子「カール」の東日本での販売を9月に中止(終了)すると発表した。早くも品薄の販売店が続出するなど「カールショック」が起きている。

その理由は、最盛期に190億円ほどあった売り上げが3分の1以下の約60億円にまで落ち込んだことなどが挙げられる。だが、私はほかの個別要因が3つほどあるとみている。

1つはマーケットの変化だ。スナック菓子は全体的に堅調に成長している市場だが、人気はポテトチップスなど芋を原料とする菓子に集中している。小麦やトウモロコシ原料の菓子は苦戦していて、カールはトウモロコシ系を代表するスナックだ。

消費者志向も変わってきている。人気なのはカルビーの「じゃがりこ」や「じゃがビー」などの“おつまみ系スナック”。会社員が仕事帰りにコンビニで買って帰るような、そうした大人の需要を汲み取っている。一方、カールのような、食べると手がベタベタするような菓子は、スマホを使う際に不便ということもあり、若者うけがあまりよくない。

最後は、明治にカールへ投資する意欲がなかったことだ。売り上げが低迷し、コストをかけてまでテコ入れしようしなかった。明治は2018年以降の新たな中期経営計画の策定に取り掛かり、それに伴い商品ポートフォリオの見直しに着手している。実際に昨年、ベビーフードや家庭用ココアなどの生産販売から撤退。ヨーグルトやチョコレートなどの高シェア商品に経営資源を集める狙いがあり、カールも数年前から撤退が検討されていたという。明治の商品撤退はまだ続くだろう。「カールショック」は序章と言えるかもしれない。

スナック菓子業界では、いまやカルビーの一人勝ちだ。スナック市場では54%のシェア、人気のポテトチップスでは72%を誇り、湖池屋以下を大きく引き離す。国内で圧倒的な存在という状態は続くだろう。

(クレディ・スイス証券 アナリスト 森 将司 構成=衣谷 康)

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