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実感なき株価2万円 最大の不安は“ロシアゲート”と“チャイナショック” - 森岡 英樹


絶好調のアメリカが牽引 ©共同通信社

 日経平均株価が2日、終値で2万円を突破した。2万円台回復は2015年8月以来、1年9カ月ぶり。個人消費が伸び悩む中、実感の少ない大台突破だが、その理由を証券会社幹部が解説する。

「外国人投資家の買いが膨らんだのが主因です。フランス大統領選でマクロン氏が勝利し、懸念されていたEU崩壊リスクが払拭され、世界的にリスク・オンに転じた。世界の株式時価総額は、5月末で76兆ドルと史上最高を記録。保有株式の含み益拡大で投資余力の高まった外国人投資家が、比較的割安な日本株を買っているという構図です」

 実際、4月第3週まで株式先物を売り越していた外国人投資家は、4月第4週から買いに転じ、5月第2週まで約1兆5000億円もの先物を買い戻した。これに現物株式の約1兆円を合わせると実に2兆5000億円を超す買い越しだ。

「日本株は、下げても日銀がETF(上場投資信託)の買いで支えるという安心感も寄与している」(同前)という。

 ただ、市場関係者は総じて慎重な構えを崩していない。

「最大のリスクは、トランプ米大統領です。ゴールドマン・サックスの幹部らが政権入りし、『ビジネス・ファースト』の政権運営になると思われたが、経済界の反対を押し切って、パリ協定を離脱するなど、疑問符がつき始めた。さらに、“ロシアゲート”で追い込まれれば、支持率上昇を狙って、北朝鮮攻撃に踏み切るなどのリスクも懸念されています」(金融関係者)

 もう1つ、シンクタンク幹部が懸念するのが、中国リスクだ。

「中国経済の持ち直しが、世界市場に安心感をもたらしているが、膨大な不良債権が隠れていると見られ、その処理は先送りされている。その時限爆弾がいつ弾けるか。チャイナショックが起きれば、リーマンショック以上の衝撃が走るでしょう」

 また、通常の経済メカニズムが変調をきたしている兆しもある。

「通常、株価が上がれば、債券安、長期金利が上がる相関関係があるが、アメリカでは株高にもかかわらず長期金利が低下する『イエレン・コナンドラム』が指摘されている」(同前)

 実感なき株価2万円の足元はあまりに脆い。

(森岡 英樹)

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