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子どもを路頭に迷わせない方法。

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教育費に関する議論が活発化している。

奨学金の返済が出来ない人に訴訟が多発している、返済に困った女性が風俗店で働いているといった報道が度々話題になったことを発端に、返済不要な奨学金や教育国債、こども保険など、子育て費用に関わるニュースが度々報じられるようになった。

普段ファイナンシャルプランナーとして相談を提供する際にも子育て費用は重要なポイントになる。

これらの話題は国の経済発展がウンヌンといったマクロな視点で語られることも多いが、より身近な視点で考えると親の悩みである「自分の子どもを将来路頭に迷わせ無いためにはどうしたら良いか?」という話に行きつく。

そこで簡単な方法を考えてみたい。

■私立中に行かせたい夫婦は9割。


自分は普段FPとして住宅購入の相談を提供している。近年は不動産価格の上昇で負担が大きくなっていると言われているが、5000万円のローンを組んでも実際の返済額は10万円代半ばから後半くらいで、夫婦共働きならば十分返済は可能な額だ。

※返済額の概算は執筆時の全期間固定金利、35年ローンで管理費や固定資産税等も含んだ額。

ただ、ライフプラン全般で考えると住宅費用と並んで子育て費用の負担がのしかかる。義務教育だけならば負担は大きくはないが、そのレベルで教育水準を考えている人はまずいない。

子ども2人で大学進学を前提に、習い事や塾、私立中学など、できる限りのことを子どもにしてあげたいと考えている親は多い。私立中学の進学率は都心部で3割から4割と非常に高いが、自分が相談で対応する夫婦で私立中進学を希望する割合はおおよそ9割だ。

家を買うタイミングは結婚して子供が生まれてから数年後という人が多いため、中学進学は10年以上先の夫婦がほとんどだ。実際に私立中に通わせるかどうかはその時に判断する事になるわけだが、この割合は極めて高い。

私立中学の費用は平均で見ると公立中進学時の子育て費用と比べて平均で100万円ほど上乗せされる。3年で300万円、子ども2人ならば600万円程度となる。そこから私立高校、私立大となればさらに負担は重い。

特に私立大学は親が全額負担をすると老後資金を直撃する。老後に親が金銭的に不安定な状況になれば子どもが困ってしまう。親の生活を子供が支えるような状況と比べれば、奨学金を超低金利ガッツリ借りてゆっくり返す方がよっぽどマシだろう。

ただ、できれば子どもの学費は全て出したい、出来る限り教育にお金をかけたいと考えている夫婦は多い。理由は様々だと思うが、子どもが将来路頭に迷わないように出来るだけの事をしてあげたい、という話に行きつく。

低賃金で働く非正規雇用者の増加やブラック企業の蔓延など、将来子どもが路頭に迷いかねない状況は多数ある。公的な支援などによって解決すべき問題も多々あるが、個人で出来ることは無いのかと考えると、実は簡単な対応策がある。しかも親に負担はほとんどない

■実家住まい+強制貯金。


この対応策は一定の条件は必要だが、やるべき事は簡単だ。

1・子供が就職した後も実家に住まわせる。
2・実家に住まわせる条件として、生活費は1円も入れなくていいから毎月10万円の貯金を強制する。
3・2の約束を守れない場合は家から追い出すと約束する。


毎月10万円、年間120万の貯金が出来ている夫婦はおそらく少数派だろう。それが独身で実家住まいであればフリーターでも可能だ。今の賃金を前提に試算をすると、仮に非正規雇用になったとして、東京であれば最低賃金は932円、昼間の仕事でも探せば時給1000円を稼ぐことは十分可能だ。

時給1000円、1日8時間労働で月に22日勤務ならば月給は17.6万円となる。ここから所得税、住民税、年金・健康保険などの社会保険料を差し引き、10万円の貯金を差し引いても社会人の平均的なお小遣いである2~3万円程度は残る。

※地方は賃金が低く非正規雇用者の手取り額ももう少し低くなる。あるいは奨学金の返済があるとその分だけ手元に残る資金は減るが、その場合は強制貯金の額を少し減らせば良い。

これを実行した場合、5年で600万円の貯金が貯まる。高卒ならば22~23歳、大卒ならば27~28歳でこれだけの資金が手元にあれば金銭的に困る事態はほぼ回避できる。正規雇用で収入が高い人ならば貯金額はもっと増やしても良い(5年に区切る必要はなく、もっと長くても良い。5年はあくまで目安の一つに過ぎない)。

子どもは文句を言うと思うが、一人暮らしをすれば1か月の生活費が10万円で済むことは無い。10万円も貯金をすると自由に使えるお金(お小遣い)は極端に減ってしまうが、結婚して子供が生まれればどっちにしろ使えるお金は似たような額となる。

一昔前には就職したら一人暮らしをして一人前、いつまでも実家にいるのは甘えている、といった感覚を持つ人も多かったと思うが、多額の貯金でリスクを避けられる事を考えれば、実家住まいで20代のうちに600万円の貯金を確保する意味は極めて大きい(インフレリスク等は一旦考慮しない)。

■600万円の貯金はリスクを避けてライフプランを実現する。


奨学金の返済が苦しい、非正規雇用で収入が少ない、ブラック企業に間違って就職してしまったが(次の仕事が簡単に見つからないため)辞めるに辞められない、あるいは大病にかかって働けなくなる等々、いずれも600万円も貯金があれば容易に乗り切れる。貯金が600万円もあればブラック企業は即日辞める事も可能だ。

特に問題が起きなければ手元に残った資金は結婚式に使うなり、住宅購入資金にあてるなり、あるいは人によっては留学資金にあてるなり、自由にすれば良い。

いかにも節約が大好きなFPが考えそうなアイディアだと我ながら思わないでもないが、近年話題となる成人後のリスクは上記の通り多くが金銭的なリスクでもある。

若いうちは貯金なんて考えずにお金をつかった方が良いといった意見も散見するが、実家住まいで給料は全てお小遣い、という人が将来に対して有益にお金をつかっている事は決して多くは無いだろう。

そして一人暮らしをしていると、家賃がいくら、食費がいくら、だからお小遣いとして使えるのは**円だけ……という、嫌でも身につく「やりくり」の感覚が、実家住まいで給料が全てお小遣いという人は身につかない。金銭教育としても強制貯金は意味がある。

特別な事情があってどうしてもお金を使いたい場合はその都度資金計画を提出させればいい。

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