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維新・足立議員の発言は看過されるべきものではない ~自由の危機に際して~

日本維新の会足立康史衆議院議員が、5月31日の衆議院外務委員会で、「共産党と協力関係にある民進党も、公安の調査対象にして欲しい。」旨の発言をしました。私は、これは決して看過されてはならないものだと思います。
 
 言うまでもありませんが、私は共産党を含む野党共闘で県知事選をたたかい、当選しました。氏の論理に従えば、私もいつ氏から、国会で「公安の調査対象としてくれ。」と言われるかもしれません。それどころか、様々な理由で赤旗を購読しているだけで(私は情報収集のために赤旗を購読している自民党の議員の方や経営者の方を、複数知っています。)、いつ氏から国会で「公安の調査対象にして下さい。」とあげつらわれるか分からないということになります。
 勿論、私は公安の調査対象となったからどうという事は全くありませんし、それ以前の問題として、良識ある政府与党が、この様な馬鹿げたご注進を採用するとも思いません。しかし、国会でそのようにあげつらわれるというその可能性だけで、私ですら嫌な気分になり、「もの言えば唇寒し」との感覚を抱いてしまいます。
 氏の発言は、氏と意見の異なる者の意見表明を委縮させる、国家権力の威を借りた、あからさまな恫喝なのです。

 私はこの様な発言は、決して看過されてはならないと思います。

 いろいろご批判もあるでしょうが、私は自民党に入り、日本維新の会に移り、その日本維新の会が維新の党となった後、分裂と合流を経て民進党に所属し、民進党を離党したのち共産党を含む野党共闘で知事選挙をたたかいいました。日本のほぼすべての政党と関わったことを、私はむしろ誇りに思っています。

 私は自民党の候補者であった時、公開討論会の場で、堂々と「年金問題については、民主党案に賛成です。」と述べました。自民党はそれを許容する政党でした。民進党に所属することとなった時の連合との面談では、「正当な理由がある場合に限り、勤続年数に応じ給与の3~6カ月相当の金銭を支払うことを条件として、金銭解雇には賛成です。」と述べました。民進党は、それを認める政党でした。知事選における政策協定の場において私は、共産党を含む野党代表者の面々の前で、「私は親米リベラルであり、日本の安全保障は、日米安保条約と自衛隊を基軸とした専守防衛体制によって維持されるべきと考えており、その点について妥協は一切しません。」と述べました。居並ぶ野党の代表で、それに異を唱えた人はいません。
 日本の主要な政党のほぼすべてと関わってきたものとして敢えて言わせていただきますが、日本の主要な政党とそこに所属する人はほぼすべて、現在の日本を愛し、現在の体制の枠組みの中で、それぞれの主張を実現しようとしています。それぞれの主張の違いも、組織運営の差異すらも、どこを重視するか、どこで線を引くかの程度問題にすぎず、本質的な違いはありません。自らと意見の異なる政党を、まるでこの世に存在してはいけないかのように罵詈雑言を浴びせるのは、全く論理的なものでも事実に基づいたものでもなく、ただ単に気に入らないからか、若しくはそうすることが自分にとって都合がいいからにすぎないのです。

 勿論、足立議員には足立議員の言論の自由があります。自らの好き嫌いとご都合に応じて、お好きなご主張をお好きな様にしたらいいでしょう。
 しかし、氏の言辞は、明らかに他人の言論の自由を、国家権力の威を借りた恫喝によって抑え込もうとするものであり、氏も、氏の言辞を放任している氏の所属する政党も、日本の自由、日本の自由主義を危機に晒す、異形の存在なのだという事は、自らの自由を愛し、他者の自由を尊重するものは、肝に銘じておくべきだと思います。

 繰り返し、国家権力の威を借りた氏の恫喝は、看過されるべきものでありません。

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