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【米サラメシ、物価下落の要因にも】

アメリカのFRB=連邦準備制度理事会は6月14日 に政策金利を0.25%引き上げる見通しです。「懸念は物価が上昇しないこと」と広く報じられています。

また、お金のかかる"外食ランチ"を避けるビジネスマンが増えていて、来客を増やそうと外食チェーンが値下げを繰り広げていると伝えている Wall Street Journalの記事が興味深いです。

FTのThe Federal Reserve’s conundrum: stubbornly low inflation (FRBが直面する謎~しつこい低物価)で「FRB は4度目の利上げの準備をしつつ、アメリカ経済の回復に向けた謎に挑んでいる。それはしつこい低物価だ。しかし FRB で今広く共有されている見方は、アメリカが完全雇用に近づいていて、コア物価が上がるのは時間の問題だというものだ」と伝えています。

こうした見方の結果、6月14日の公開市場委員会で4度目となる 0.25%の利上げに踏み切る見通しだとしています。

とは言え、「FRBのブレイナード理事が 30日の講演で指摘したようにFRBが目安としている物価の指標は 58か月連続でFRB の予想を下回っている。 30日に発表した直近の指標では、コア物価はFRBの 2%目標に対してわずか1.5 %だった」ということです。

New York TimesはDespite Weak Inflation, Fed Is Likely to Raise Interest Rates in June (弱い物価にもかかわらず、FRBは6 月に利上げに踏み切る見通し)として、ブレイナード理事がニューヨークで行った講演の中で、物価上昇率がFRBの目標を下回っているという新たな指標が出たにもかかわらず、「近く (soon)」FRB が政策金利を引き上げるべきだと主張したとしています。

ブレイナード理事は、利上げに慎重なハト派とされていることから、

「経済活動と今後の進展を予想すると、近く金融緩和策を取り除くことは適切だと結論づけることは理論的だろう」

という彼女の発言を受けて、6月中旬の公開市場委員会で利上げを行うという見通しが強まったと伝えています。

つまり、ブレイナード理事でづら利上げの用意があるなら、 FRB内の反対は大きくないと受け止められたわけです。

一方、6 月以降については、物価上昇の兆しが見えなければ追加利上げを再考する考えを示唆したということです。30日に発表された 4 月の物価の指標が1.5%で、FRB の2%という物価目標を大きく下回ったことが背景です。

興味深かったのはこちら。

Wall Street JournalのGoing Out for Lunch Is a Dying Tradition – Restaurants suffer as people eat at their desks (外食ランチは死にゆく伝統~自席で食べる人の増加でレストラン業界は窮地)の出だしは「アメリカのレストラン業界はおじけづいている。理由はランチだ」。

NPTグループによりますと、去年、アメリカ国民が昼食を外に食べに行った回数は、前の年に比べて 4億3300万回減り、32億ドル(約3500 億円)の損失だったということです。これは対前年比で 2%の減少で、過去40 年で外出ランチがもっとも少ない水準ですって。

外出ランチは、ファックス、公衆電話と同様の道をたどる」というのは、かつて外で昼食をとっていたものの、今や多忙のあまりそんな余裕ないという 55歳の男性。

この男性のように、多くのアメリカ国民は日中に1時間もランチタイムを取るのは贅沢だと思っており、「パワーランチ」も死語になりつつあるということです。

このため、レストランはデリバリーやより短時間に、より小さな量を用意することで乗り切ろうとしていますが、本来、テイクアウトより中で客に食べてもらう方が利益率が高いレストラン業界にとって、ビジネスマンの新しいトレンドは苦しいものです。

とりわけApplebee’s やRuby Tuesdayといった日本でいうファミレスが痛手が大きいと伝えています。実際に食にありつくまでに時間がかかるため、外食ランチ減少の影響がもっとも大きいと伝えています。

多くの人たちがスーパーで割安な食材を買って、自宅で食べているとも指摘。人件費の上昇でメニュー価格を引き上げた結果、食材の価格が下落しているにもかかわらず、レストランランチの平均価格はリーマンショックの前と比べると 19.5%上昇し、現在は7ドル59セント(約840 円)に達しています。

アメリカでは大幅な食品デフレが起きている( significant food deflation)と報じています。

さらに、仕事の一部でも在宅勤務のアメリカ国民は2003年の 19%から2015年には 24%に増えていることも外出ランチの減少に影響しているとしています。

来客が減った結果、メニュー価格を引き下げるチェーンが増えており、Chili’s Grill & bar は6ドル(約660 円)でランチが食べられるほか、Olive Gardenは6 ドル99セント(約770 円)で、さらに34ドル(約3700 円)することもあるブラジリアンステーキハウスのFogo de Chaoは半額以下の 15ドルランチを始めたということです。

値下げ競争は、何だかデフレ時の日本みたいですね。

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