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6月1日は教室から学生がいなくなる日

昨日、6月1日は大学での講義日だった。授業に来たのは3人のみだった。数日前から、複数の学生から、就職の関係で、企業から呼び出しがあり1日の授業は欠席する旨の連絡があったので、おおよその予想はついていた。しかし、ここまで欠席者が出ると異様な感じは否めなかった。

出席者の1人から、授業直前に連絡があった。企業からの呼び出しがあるが、途中、抜けて授業に出席するので許可をもらったが、遅刻するかもしれないというものだった。スーツ姿で息を切らしながら教室に表れ、熱心に講義に耳を傾けていた。講義後、少し話をしたのだが、随分前から内々定をもらっており、6月1日は、他の企業に心変わりしないために終日、同社で過ごしてもらう日のようだ。心変わりはしないから、授業に出たいと申し出たようだが、やっとのことで許可が出たようだ。学生は懇親会に出るために再び会社に戻っていった。

気になって、経団連が、2016年に出した「採用選考に関する指針」を読んでみたが、以下の5項目からなるシンプルなものだ。

1.公平・公正な採用の徹底、2.正常な学校教育と学習環境の確保、3.採用選考活動開始時期、4.採用内定日の遵守、5.多様な採用選考機会の提供

これによれば、広報活動は3月1日以降、選考活動は6月1日以降、採用内定日は10月1日以降となっている。しかし、実情は、3月1日から6月1日の間に事実上の内定まで決めているのではないだろうか。内定を「内々定」という言葉に置き換えたとしても、実情は先の通りなのだから、方便に過ぎない。

そして、「正常な学校教育と学習環境の確保」まで指針に記されているのだ。しかし、6月1日の日中に呼び出すということは、講義を休ませることに外ならず、明らかにこの指針は反故にされているのが実態だろう。企業にとってみれば、少しでも質の良い人材を確保したいと必死な思いで採用に臨んでいるとは思う。しかも、他者が前倒しで内々定を出していたら、自社も出さなければ人材獲得競争に負けてしまうという懸念もあるだろう。しかし、自ら団体として掲げた指針を守らないというのは、やはりまずいのではないだろうか。

会社にとっては学生は新たな人材であるが、同時に、学生は一個の人格であることも忘れてはならない。

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