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公的支援を受けた企業の公正競争確保について

 一昨日の日経新聞によると、前原国交相は日航が巨額公的支援で競争力を高め、同業他社の経営を圧迫しかねないとの懸念が出ていることに「公取委が主体的に、あらゆる産業分野に適応されるような指針を作ることが適当ではないか」との考えを示したとのこと。

【記事要旨】
・日航は更生法適用を申請、直後に企業再生支援機構が支援を決めた。
・機構から3000億円出資、銀行団から3500億円債権放棄。
・全日空は日航が競争をゆがめることがないよう申し入れ。
・国交相は「航空業界のみならず、他業界でもそういう懸念。公取委担当の仙谷行政刷新相に指針策定をお願いしたい」。
・欧州では指針あり、支援を受けた企業が市場占有率下げや資産圧縮を求められる場合がある。

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 公的支援を施されて生き延びる企業がそうでない同業他社よりも強靭な体質を得る可能性をいかに考えるかである。公的支援と言っても多種多様。日航に関しては、破綻確実な(元国営の)完全民営化会社を公的資金で救済し、再生させる方向。一瞬、実質的国有化に極めて近い。

 経営上問題のない民間企業に対して行われる補助金措置や租税特別措置といった公的支援も多い。産業政策としては、寧ろ後者の方が遙かに案件は多いだろう。記事にある欧州指針については、航空業界に特化しているものは知られている。航空産業も含めて、公的支援と競争力強化に係る汎用的な指針を策定しようとすると、非常に概括的なものにならざるを得ないだろう。

 そうなると、概括的指針を策定した上で、それに基づいて対象とすべき業種ごとに指針を策定していくことがあり得る。1990年代であれば規制緩和に伴う公正競争確保が謳われたが、2010年は公的支援に伴う公正競争確保が叫ばれているという情況。経営再建を旨とした大きな公的支援を受けた業種となると、真っ先に思い浮かぶのは金融業界。次に一部の流通業と製造業。

 いずれにせよ、あらゆる産業分野に適応できる指針(実態は指針群)を策定しようとするならば、公的支援の定義を明確にしていくことから始めるべき。この場合の公的支援とは、広義よりも狭義なものとすべき。そうでないと、ほぼ全員が対象となり、結局は現状追認で終わる。キーワードは『(一定規模以上であって)破綻寸前からの再生』となるのではなかろうか。感覚的な話。

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