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ソニーは“昭和の家電ビジネス”から脱却できるか

先日も書いた通り、ソニーが好調です。今期5000億円の営業利益を達成する見通しですが、かりに来期以降、同水準の営業利益を確保できれば、過去70年以上に渡るソニー史上初の快挙です。5000億円を2年以上連続で達成したことはありませんからね。



いま、回復基調にあるソニーにおいて、復活を確実にできるかどうかのカギを握るのが、「リカーリング型ビジネス」だということは、23日のブログで触れた通りです。

2015年に第二次中期経営計画を発表したときから、社長の平井一夫さんは、リカーリング型ビジネスの強化を強調してきました。実際、昨年度売上高の35%だったリカーリン型ビジネスは、今年度は40%に達する見込みです。

「リカーリング型ビジネス」とは、商品の売り切りではなく、継続的に収益をあげるビジネスです。

従来、ソニーのテレビやウォークマン、コンパクトデジタルカメラなどは、モノ自体を売って終わりでした。つまり、「ヒット商品の売り切り事業」といったらいいでしょうか。ですから、つねにヒット商品を出し続けなければならなかったわけです。

モノが欲望の対象だった高度成長時代にはそのビジネスモデルが通用しました。ところが、モノ余りの低成長時代には、モノのヒット商品に依存するビジネスモデルは成り立ちません。日本の電機メーカーは、その“昭和の家電ビジネス”のワナに陥りました。

では、どうしたらいいのか。ソニーが“昭和の家電ビジネス”を脱却する策として打ち出したのが、「リカーリング型ビジネス」です。つまり、継続的に収益をあげることによって、財務基盤をしっかりと確立することが大事だということですね。

例えば、プレイステーションの定額制サービスや有料コンテンツは、継続的な収益につながります。生命保険も、契約期間は継続的に収益が上がりますよね。また、ライセンス料を徴収する音楽出版事業もリカーリング型ビジネスといえます。

もっとも、ソニーの「リカーリング型ビジネス」の勝算は、ハードウェアなしにはない。ソフトやコンテンツだけでは、グーグルやアマゾンには勝てませんからね。

ソニーは、それを知っている。平井さんは、消費者に感動をもたらすのは、「ラスト・ワン・インチ」だと何度も発言しています。それはつまり、スマートフォン、ゲーム機、一眼レフなどのハードウェアをもつという、ソニーの強みを生かす戦略でもあります。


※2017年度経営方針説明会

23日の経営方針説明会でも、平井さんは、「ソニーは、お客様の体験のインターフェースとなる商品をつくり続けます」と、コメントしました。

“昭和の家電ビジネス”からの脱却に向けて、光は見えてきたところだと思います。問題は、実現できるかどうかです。平井改革の真価が問われていますね。

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