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Amazon専門のオンデマンド出版で「あなたのブログを本にしたい、印刷代は弊社負担」という詐欺的商法について


タイトル写真をSnapMartで買ってみた。100円だ。安っ!! @neco_photoさんという人の作品

うちのクライアントにも例の営業がきたようです。

お疲れさまです。今、ギャラクシー出版というところから本を書きませんか?と連絡がありました。
アマゾンからギャラクシー出版に定期的に企画提案をしてほしいと要望があるそうですが、今回はペットとの暮らしだそうです。ギャラクシー出版の担当者がネットで様々検索した結果、うちのブログの内容が興味深かったそうで電話をかけたとのことでした。まだ企画段階だそうですがわたしと会って話しをきいて再度検討したいとのことでした。こういうのは、会ったほうがいいのでしょうか?
ちなみに、執筆するとなれば約200-300万の予算で一部55万ぐらいわたしが負担しなければならないそうです。

はっきりいいますが、これは詐欺商法です。詐欺とは言えないので詐欺的商法と言います。

「本を出版しませんか?」「取材したい」といって数十万円ぼったくるクソ会社に注意せよ!

かさこさんはカッとなって激しい言葉でやじってますが、どこが詐欺商法かよくわからないのでわたしが詳しく説明します。ちなみに「ギャラクシー出版」で検索すると騙された人のブログがたくさん出てきます。わたしと同じ名字の名古屋の税理士さん(検索してね)がやられていました。w こういう感じで騙されたことがわからないでブログに書くとさらに拡散するのでまずいかも。

では、この商法のどこが詐欺的なのか、詳しく指摘します。ブログを書いている人に「本を出しませんか」と片っ端から営業しているようです。業種もなにもないので片っ端からです。どんなオンデマンドの本出してるのかみると(出版社名はタイトルからリンクされません)やはりエッセイみたいなのばっかり。

で、この出版というのはAmazonのオンデマンドのことです。書店コードがないので一般の書店には並びません。つまり一般の出版とは違います。一般の自費出版は最低でも数百冊。まともな出版社なら1000万以上かかるかわりに2000部くらいは印刷するので本屋さんに並びます(部数が少ないときは数店のケースも)。Amazonの場合は並ばないのでネットで話題にならないと絶対売れません。考え方としてはKindleの補完、つまり電子書籍はちょっと苦手という方向けです。

印刷の版を作らずデータから直接本にするので、少ない部数に向いています。会社のパンフレットや運動会の冊子なども低コストで作れます。カタログ作って販売することもできます。本来はこっちだと思う。

Amazonから依頼することはない

わたしもやオンデマンドの出版はやっています。実は本当の紙の本の執筆依頼も来るんですが、華麗にスルー。自分は電子書籍読めない人とのビジネスは無理なんで。


物凄く紙版は高いのですが、これはページ数が多いためで、Amazonから原価が出てくるので好きな価格を付けます。どうしても紙が良い人向けですな。売れたことあるのか謎。

中の人に確認しましたが「Amazonが編集会議して特定の会社に要望出すわけない」ということでした。Amazonの名前を騙っているとしたら、なんらかの措置はあると思いますよ〜

この会社は印刷代は負担しない

詐欺的商法のうち、はっきりと嘘なのが

通常は200〜300万の予算ですが印刷代は当方が負担

という、「いかにもうちがリスク負います」みたいなセールストークです。この部分については明確に違法。ただし会社や医院の経費で落としていると個人の買い物ではないので消費者庁や国民生活センターは動きません。公正取引委員会の範疇かな。

Amazonのオンデマンドは、注文があった部数だけ印刷するのです。一冊も売れなければ一冊も印刷しません。一般の出版では「在庫」というものを持つわけですが、これには印刷費と保管費用がかかります。返本されてきたらその対応も。オンデマンドは「注文が会った分だけ印刷」なので、一般のパンフレットと同じく、出版社は一銭も払わない。つまりノーリスクです。

「通常200万〜300万」といってるのは「オンデマンドではない在庫があるもの」ですから、全く違うことを指してます。出すのは「通常ではないオンデマンドの本」なのです。
これは相手に誤認を与えるので違法です。「消防署のほうから来ました」という消火器販売みたいな営業です。

間違いなく売れない

安いKindle本でさえ、全く無名な人だと自分と友人くらいしか買わないので(100部以上売れるのは稀)ましてや高価な紙の本ですから、ほとんど売れないです。よくて数十冊。自分の負担が55万なら20部売れて

一冊あたり3万円近くの負担、高っ!!!

ただしかし、「本を出す」という欲求は満たされますし、書店に並ぶかどうかは別にして本が出ることは事実ですので商法に問題はあっても詐欺とは言えないかと。

55万円は高いか、安いか

単行本ですから特にデザインというのはなく、たぶん決まったフォームでやっていると思います。この会社のやることは原稿をデータでもらい、ソフトに流し込んで校正をし、表紙付けてAmazonに発行申請するだけです。

サイトにある「発行の流れ」を見ると、編集作業というのがありません。普通の単行本において編集作業とは「売れる内容の企画を考える」「どういうコンテンツにするか」というのが重要で、章と内容を最初に詰めます。これがなくていきなり目次と執筆なのです。

これで55万円が高いか安いかです。編集しないで自分が書きたいもの書いて発刊するだけなら、正直、素人さんが自分でも出来ますし、面倒ならDTPの経験があるデザイナーに依頼するのもアリです。自分は面倒なのでプチレトルという会社にやってもらっていますが、クライアントの本は一冊20万円で、編集から出版までやってくれます。編集はアシスタントの由良さんが元プロなのでやったりもします。

しかもこの場合、紙のオンデマンドだけではなく電子書籍のKindle、GooglePlayBooks、Hont、iBooks、GALAPAGOS STORE、DMM電子書籍ストア、どこでも読書、mibon、BOOKSMART全部のブックスタンドでも販売してくれます。まあ、Kindleが圧倒的に売れますけどね。

ちなみにきちんとした「オンデマンド印刷代行」をやっている会社もたくさんあり、こちらは完全データでもらって100ページの本をオンデマンドで印刷して印刷費込みで5万円とかでした。つまり知人のデザイナーに流し込みを10万円でやってもらうと完成した本が15万円で100冊手に入るわけね。

おそらく歩合か何かでテレアポさせており、一番かかってるのはそこのコストなんではないかと思います。営業の委託だったら1件成約あたり、いくらみたいな。別に自費出版で55万とってオンデマンドで本を出してあげるのはそれだけならかまわない。ただし「印刷は弊社持ち」「普通なら300万かかる」みたいな誤認させるトークは違法でしょということです。でもそうでもしないと仕事ないんだろう。

当の本人が相場も分からず「本出したんですよ、Amazonで買ってください」と言うのは幸せかもしれないのでいいですが、逆算してみましょう。55万円払って何人の人が読んでくれるかです。本屋に置かれていれば一定数の人が見てくれるので売れる場合もあるでしょうが、Amazonではタイトルやランキングで検索します。知らない著者、レビュー0の高い紙の本を買う人なんてほぼいないっしょ。ちなみにここの会社の本のレビューは「新規Amazonカスタマー」が大勢いて同じ口調で☆5個つけてるのがたくさん。ステマっぽいのがたくさん。著者がやってるのか、それともサービスの一環なのかは知らん。

超甘めに見て奇跡的に100人が買ってくれたとすると「ひとりあたり5500円の負担」でしかも本代金は友人持ち。友人に自慢したいのなら、ひとり5500円の予算で100人招いて無料で宴会でもやったほうがよほど絶賛されますよ。付き合いで無理矢理買わされた友人の怨嗟の声が聞こえるようです。友達無くすぜ。

自分で発行できるのがAmazonの凄さなんだから、高い金払って人に頼まなくてもねえ・・・。情弱は搾取されるの典型たけどもまあ仕方ないか的な話です。落ちぶれ気味のタレント使って「取材したい」と申し入れて実は取材費と言う名目の広告費を請求するという手口と同じですね。
この本とか読んだらどれだけ簡単なのかがわかりますよ。

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