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王子ウィリアムと妻ケイトが「乗っ取り」? 英BBCが衝撃的な王室ドラマを放送

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王室批判がタブーではない英国

秋篠宮家の長女眞子さまが一般人の小室圭さんと婚約というニュースは、英国でも大きく報道された。王室の人気が高い英国では日本の皇室の動きは関心事の一つとなっている。眞子さまが結婚によって一般人となることも注意を引いた。

日本では皇室報道となると慎重さに慎重さを重ねた報道が普通だが、英国では王室は多くの国民に慕われている存在ではあるものの、風刺やジョークの対象にもなるのが常だ。王室批判は決してタブーではない。

しかし、王室にとって国民からの支持は非常に重要で、国民との接点をできうる限り増やす努力が続いている。エリザベス女王自身はメディアのインタビューには一切登場しないが、様々な公務の一環として全国を訪れ、国民と直接言葉を交わす機会を持つ。

孫の世代となるウィリアム王子とヘンリー王子(英国では「ハリー」と呼ばれる)はチャリティ活動に精を出す。4月には、病気の中でもタブーとして扱われがちな精神病にスポットライトを当てたキャンペーン運動を盛んに行ったばかりだ。この運動の一環として、ウィリアム、妻のキャサリン妃(通称「ケイト」)、ハリーはそろってメディアに積極的に顔を出した。王室の若い世代は少しずつ、よりオープンな王室の実現を目指しているようだ。

ところが、そんな王室の努力を蹴散らすような衝撃的なドラマが、5月10日、BBCで放送された。ウィリアムとケイトが結託してチャールズ皇太子を王座から引きずり下ろすという度肝を抜くような設定だった。

ウィリアム、ケイト、ハリーの3人には「そっくりさん」の俳優陣が配置されていた。BBCが発行する週刊テレビ雑誌「ラジオ・タイムズ」によると、ウィリアム役、ハリー役の俳優それぞれがプライベートで「お前、ウィリアム(あるいはハリー)にそっくりだな」と実際に友人たちにいわれていたという。

王室からすればそれこそ「フェイクニュースだ!」と叫びたくなるようなドラマであった。

政府に歯向かうチャールズ3世

ドラマの中で、息子の戴冠式に出席するチャールズ3世の場面 (「ラジオ・タイムズ」より)

どんな内容だったのか。

ドラマのタイトルは「チャールズ3世(King Charles III)」。エリザベス女王が亡くなり、皇太子チャールズが国王3世として世継ぎをすることになる。

現在、英国史上最高年齢の君主となるエリザベス女王(即位1952年)は91歳。その長男となるチャールズ皇太子は68歳。君主亡きあとに次の君主が誕生する形を取る英国で、皇太子は待ちっぱなしの状態だ。25歳で即位した母親に対し、チャールズは高齢者になってからの即位となる。

ドラマの始まりは、エリザベス女王の葬儀の場面だ。王室の家族全員が女王の死を悼むセレモニーに出席しようとする間際、ハリーは「一人になりたい」といって出かけてしまう。

ハリーは兄のウィリアムよりも奔放な性格だといわれている。典型的な次男坊である。ハリーは上流階級の友達と酒場で飲んでいる間に、ある黒人女性と出会う。彼女はハリーを王室の人間だからといって、特別視しない。そこでハリーはすっかりこの女性に夢中になってしまい、二人は恋人同士となる。王室を離れ、平民となって彼女との結婚を願うようになる。

一方、ようやく国王となったチャールズは、戴冠式を間近に控え、自分の地位をまっとうしたいと「自分には何ができるか」と考えるようになる。立憲君主制の英国で、国王は形では国を統治しているものの、実際に政治を運営しているのは時の政府と議会である。「では、自分の存在とは一体何なのか」?

国王と首相は毎週一度、バッキンガム宮殿で会合を持つ。時の首相との初めての会合で、チャールズはメディア規制法案の書類に署名するよう求められる。すでに下院・上院で承認されており、最後に必要なのは国王の署名だった。署名後、法案は法律としての効力を持つ。

ところがチャールズは書類をじっくり検討した末、「署名できない」と答えてしまう。

英国の新聞界は17世紀以来、自主規制でやってきた。ここに政府が規制を加えることはその伝統に反する。メディア統制に反対の立場をとるチャールズは首相と対立する。

政府が望む法案の書類に頑として署名を拒絶するチャールズが、首相にとって目の上のたんこぶになってきた。 国王からの署名がなくても法案が成立できるよう調整を目論んだ首相だったが、チャールズは先手を打って、下院解散を宣言してしまう。

王室による政治介入への反発が発生し、国内で抗議デモや暴動が起きるようになった。チャールズはバッキンガム宮殿前に戦車を置き、身を守らざるを得なくなった。

国内が大混乱状態となる中、ここで急に頭角を表すのが野心いっぱいのケイトだ。まるでシェークスピア劇「マクベス」のマクベス夫人のように、夫ウィリアムをそそのかす。「あなたがこの混乱を納めるのよ。あなたかしか、いない」と。

ウィリアムは当初は気乗りではなかったが、ケイトが首相の協力を仰いだことが功を奏し、心を動かしてゆく。

そして突然の交代劇が起きる。

事態を収拾させるためにチャールズが開いた記者会見を、ウィリアムが乗っ取り、自分が父に代わって事態を収拾すると宣言したのである。

頭に来たチャールズは公邸に戻り、ウィリアムと口論になる。チャールズは腹心の召使を呼ぶが、ウィリアムは「1時間、暇を出した」と答える。ここでチャールズは、自分を追い出すためにすべてが事前に仕組まれていたことを知る。

一人きりになったチャールズにウィリアムは退位を呼びかける。もちろん、チャールズはこれを断る。しかし、ケイトもハリーも部屋に入って来て、3人で父を追い詰める。 チャールズは退位書面に署名するのか、しないのか。手に汗を握るような、どす黒いドラマの頂点である。

チャールズは、子供たちに「署名しなかったら、もう2度、父さんとは合わない」と告げられてしまう。殺し文句だ。息子たちにも、可愛い孫たちにも「2度と会えない?」チャールズはへなへなと崩れしまう。プレッシャーに押され、とうとうチャールズは退位書面に署名した。

戴冠式の日がやってきた。ハリーは式に黒人の恋人を呼ぶと約束していたが、実際には招待状のリストに彼女の名前はなかった。ハリーは平民ではなく、王室の人間として生きることを選んだのである。戴冠式を祝うために集まった人々の後ろを、女性は涙ながらに駆け抜けてゆく。ハリーの裏切りである。

冠を頭に載せ、ゆっくりと歩くのはウィリアムとその横に堂々と並ぶ妻ケイトだ。チャールズは自らの手で冠をウィリアムにかぶせることで自分が父であることを示したが、全ては後の祭りだった。

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