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日銀の物価目標達成までにはまだかなりの距離が存在

 5月26日に公表された4月の全国消費者物価指数は総合で前年同月比プラス0.4%となり7か月連続のプラスとなった。日銀の物価目標ともなっている生鮮食品を除く総合は前年比プラス0.3%となり、こちらは4か月連続の上昇となった。生鮮食品及びエネルギーを除く総合は前年比変わらず。

 寄与度をみてみると、原油価格の底打ちによる影響が引き続き大きいようである。ガソリンなどの上昇幅が縮小したものの,電気代がプラスに転じ都市ガス代などの下落幅が縮小し、エネルギーにより総合の上昇幅が寄与していた。

 全国消費者物価指数の先行指標とされる5月の東京都区部の指数は、除く生鮮で前年比0.1%の上昇となり、2015年12月以来のプラスとなった。電気代やエアコンなど家庭用耐久財の上昇、携帯電話機のマイナス幅縮小が寄与した。

 このように日本の消費者物価指数は原油価格の底打ちの影響によって、やっと前年比プラスに転じてきている。しかし、欧米の物価指数に比べてもかなり低い水準にあるといえる。

 いまでも日銀の異次元緩和は継続されており、日銀のバランスシートは膨らみ続け、市場から異常ともいえる大量の国債の買い入れを続けている。日銀はこれによって物価目標を達成するとしていたが、いっこうに達成する気配はない。

 日銀は物価目標の達成時期を延期し続け、さらに質的・量的緩和の拡大やマイナス金利の導入、長期金利を政策目標に据えたりと手を変え品を変え、次元が入り組んだ妙な金融政策を打ち立ててしまっている。これが物価に直接影響していないことは、どう見ても明らかではなかろうか。

 いまのところ国債価格が急落するといった副作用が出ているわけではない。だから効果の有無はおいといて、異常な政策を日銀は続けているわけだが、効果が出ない以上は効果が出るかもしれない新たな手段(財政政策含む)を講じるのではなく、いったん異常な政策そのものを後退させて、将来のリスクを摘む必要もあるのではなかろうか。それを本来警告するはずの長期金利の機能を日銀自ら摘み取ってしまっていることも確かではあるのだが。

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