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三菱東京UFJから“東京”が消える理由。“UFJ”は「明日は我が身」 - 森岡 英樹


豪腕を振るう平野社長 ©共同通信社

 三菱東京UFJ銀行は、来年4月に商号を三菱UFJ銀行へ変更することを決めた。これで名門・東京銀行の痕跡は消滅することになった。

 東京銀行の前身は、明治13年に設立された横浜正金銀行。戦前、日本の外貨調達を担った国策銀行だ。
戦後はGHQから閉鎖機関に指定されたものの、残余財産を基に東京銀行が設立され、我が国唯一の外為専門銀行として日本企業の海外進出を支えた。歴代頭取には旧大蔵省の財務官などが天下った。

 1996年に三菱銀行と合併してからは、「東京」の名を消す話が浮かんでは消えた。
「UFJ銀行と合併した際に、東京を外そうという話はあった」(東京銀行OB)
しかし、海外で「BANK OF TOKYO」は、三菱以上に名前の通ったブランドで外せないと見送られた。

 今回、ついに“東京外し”が行われたのは、三菱UFJフィナンシャル・グループのドン・平野信行社長の鶴の一声だったという。

 平野氏は中堅・若手からなる「クレアーレ」なるグループ会議を組織し、銀行、信託、証券の「機能別再編」構想をぶち上げた。

「犬猿の仲と言われる三菱東京UFJ銀行と三菱UFJ信託銀行のバンキング業務を巡る因縁を、機能別再編の名のもとに決着させた。それと同時に、行名から東京を外したのです」(メガバンク幹部)

 信託は、力の源泉である法人向け融資を銀行に“召し上げ”られた。グループ経営会議で信託の池谷幹男社長は、「信託のバンキングは顧客から支持されていると最後まで抵抗したが、平野氏の一喝で敗北した」(三菱関係者)。

 実はここ数年、銀行内では国内業務の“主流派”と国際部門を中心とする“改革派”の内紛が激化していた。昨年6月に、改革派の中心人物であった田中正明氏が退任させられたことはその象徴だ。

「一昨年春には東京銀行出身の常務が、セクハラ疑惑をかけられ転出させられた。彼は旧東銀の最上位ポストであった国際担当の副頭取に昇格する予定だったが、それ以降、旧三菱銀行出身者が同ポストに就いている」(同前)

 平野氏が描くのは、三菱銀行の復活という。UFJ出身者は、「明日は我が身」とつぶやいている。

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