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起業は難しいことではなく社会の"穴"を見つけるだけのこと。危機を単なるリスクでなくビジネスの可能性と捉えるべき - 「賢人論。」第38回藤野英人氏(中編)

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「賢人論。」第38回(中編)藤野英人さん「起業は難しいことではなく社会の“穴”を見つけるだけのこと。危機を単なるリスクでなくビジネスの可能性と捉えるべき」

日本株投資信託「ひふみ投信」のファンドマネジャーとして、ビジネスの第一線で活躍する藤野英人氏。前編「いくら“公”が縮小していても、“民“は熱くなることができる。民間が社会を作っていく感覚が日本には足りない」で、いまの日本に足りないものは「民間の主体性」と「知恵と勇気」であると指摘した。中編では、社会を補填・形成していく行為としてのビジネスを、その本質から語った。

取材・文/佐藤 舜(編集部) 撮影/公家勇人

起業は難しくない。空いている「穴」を見つけるだけのこと

みんなの介護 前編「いくら“公”が縮小していても、“民“は熱くなることができる。民間が社会を作っていく感覚が日本には足りない」では、民間が社会課題の解決に取り組むことに対し、私たち日本人はもっと寛容になるべきだというお話を伺いました。言い換えれば、社会課題を解決することこそがビジネスの使命である、ということにもなりそうですね。

藤野 すべてのビジネスは「穴」を発見することだと思うんです。

みんなの介護 穴?

藤野 例えば起業というのは、何もないところから「大きな塔を建てる」イメージだと思われがちなんです。でも、それは違います。私は仕事柄いろんな起業家を見ていますけれど、塔を建てたというより「穴を埋めた」人のほうが多いんですよ。「なんでこんなところに穴があるんだ?これを埋めたらもっとスムーズに通れるのになあ。それならいっそ、自分で埋めちゃおうか」という感じでね。余っているところから砂を持ってきて、スコップを持ってガサッと入れていく。これが起業というものの本質だと思うんです。

みんなの介護 穴、つまり社会がもつ欠陥を見つけて、補填する。そういう見方ができれば利益にもつながりやすそうですし、結果的に社会課題も解決して、みんながいい思いをしますね。

藤野 もうひとつはね、起業=難しいというイメージも減りますよね。何もないところから塔を建てるとなると大変に感じますが、穴を見つけて砂を入れる、ならば気が楽でしょう。介護だとか医療だとか、福祉関係のところは穴だらけだと思うんですよね。制度そのものの穴もそうだし、需要の多様化による穴もそう。埋められる余地はたくさんあります。需要というものは、穴が空いているところに生まれるものですからね。

みんなの介護 介護の現場における大きな「穴」として、ひとつには介護職員不足という問題があります。

藤野 介護もそうですし、それより前にパニックが起きるのは「癌」ではないでしょうか。もう3~4年も経つと、癌患者が爆増すると考えられています。団塊の世代が癌世代になっていくからです。団塊の世代は母数が多いですから、「団塊の世代の人数」×「癌罹患率」という掛け算で、癌患者が爆増することはわかるわけです。

みんなの介護 そのとき初めてみんなが気付いて、パニックが生じてしまう。

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