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フェイスブックやグーグル、今注目すべき世界のオフィス6選

Forbes JAPAN 編集部 ,Forbes JAPAN


グーグルが「起業家のコミュニティハブの構築」を目指し、世界6都市に展開する「グーグルキャンパス」。写真は、初の南米拠点として開設されたブラジル・サンパウロ。次世代のテックタレントが集う一大拠点に。

「企業の抱えているビジネス課題を解決するオフィスとはどういうものか」。Forbes JAPANではコクヨ主幹研究員、山下正太郎氏監修の元、世界中の優れたワークプレイスの中から、上記の観点で10のオフィスを選抜した。

単純なビジュアルの美しさではなく、その背景にある思想やコンセプトを重要視。コンセプトには、経営者の視点や、デザインや運営において発揮されているリーダーシップも含まれる。また「新規性」を重視し、既に多数のオフィスに採用されているものではなく、新しいアイデアの萌芽があり、今後確実に世界的なトレンドになると予想されるものを中心に選抜した。
 
なお、ワークプレイスのうち、計画中や建設途中ものは除外。既に完成したものに限定し、ワークプレイスとして機能した上で、コンセプトが成立しているものを選定。その規模は問わず、空間全体でコンセプトがピュアに表現されていることを考慮した。

厳選した10か所のうち、まずは欧米の6つのワークプレイスを紹介する[日本・アジア 4選は5/17公開]。


グーグルキャンパス(世界各地)

世界の注目都市に点在優秀な人材とのタッチポイントに

無料で食べ飲み放題の食堂、遊び心満点のインテリアなど、快適で創造的なオフィスづくりを追求してきたグーグル。その対象は一貫して「グーグル社員」だった。一方、世界6都市に展開するグーグルキャンパスは簡単な登録を済ませば、誰でも無料で施設内のスペースを利用できる。

グーグルが提供するプログラムやメンタリングサービスを自由に受講できる環境に育ったグーグルキャンパス発のスタートアップたちは、2015年に合計1億500万ドル以上の資金調達に成功。グーグルにとってそこに集う次世代のテックタレントとのタッチポイントとしても機能する。



ロンドン(イギリス)、ソウル(韓国)、マドリード(スペイン)、ワルシャワ(ポーランド)、テルアビブ(イスラエル)、サンパウロ(ブラジル)の6都市で展開。煉瓦造りが特徴のマドリードのコワーキングスペースもある。起業家支援プログラムを開催する各種スペースが併設されている。


フェイスブック本社(シリコンバレー)

ワンフロアに2000人以上ザッカーバーグの思想を体現

「優秀な人材が1箇所に集まり、活発に議論すること」をイノベーションの源泉と考えるフェイスブック。2015年に完成した新社屋のテーマは「近接性」。2000人以上の社員が1枚のメガフロア上で働き、コラボレーションの誘発を狙う。

オフィス空間は、むき出しのスチール梁、天井からぶら下がるワイヤなど、あえて完成度を下げたつくりかけの状態を維持。12億人以上のユーザーが毎日利用する世界最大のSNSを運営する同社だが、空間設計には「自分たちの仕事は、未完成である」というザッカーバーグ流のベンチャーマインドを色濃く反映。



壁もドアもないワンフロアのワークプレイスが目指したのは、社員間のコミュニケーションを妨げる「精神的な距離感」をなくすこと。役員だけが使うことの許されたガラス張りの会議室でさえ、ブラインドが下ろされたことは一度もないという。雑然としたオフィス空間も故意につくり出されたもの。


ザッポス本社(ラスベガス)

自律性を重んじる企業文化社員が空間をハッキング

ザッポスは、靴・衣料品のeコマース分野のリーディングカンパニー。2009年のアマゾンによる約830億円での買収後も、ラスベガスを拠点に独立して事業を行う。
社員の自律性を最大限に尊重するホラクラシー型の組織を持つ同社は、社員が主体的に制度や働き方をハッキングすることを推奨。その運営思想は、ワークプレイスにも反映され、社員は個人のスペースや空間を自由に飾り付けている。現在は、ラスベガスのテックコミュニティ化を目指し、学校やコワーキングスペースを建設するなど、地域開発にも着手している。



アイテムが所狭しと置かれた、賑やかなワークプレイス。おもちゃ箱をひっくり返したようなこの空間も、全て社員自身の手によるもの。ただ趣味を提示するのではなく、「自分の気持ちを高め、パフォーマンスを向上させる」という観点で、社員個人がクリエイティビティを発揮している。


ウィーワーク(世界各地)

NY発、世界規模の一大コワーキング・コミュニティ

ウィーワークは、世界37都市155カ所に展開し、10万人以上の会員を誇るニューヨーク発のコワーキング・ネットワーク。入居企業限定のSNSやプログラムを提供することによって、「ウィーワーク コミュニティ」を世界規模で構築。独立して事業を営む入居企業同士が、いつでもコラボレートを実現できる環境を整える。

特筆すべきは、データドリブンでの空間設計。世界中のコワーキングプレイスから集めた、オフィス内での入居者の行動履歴等のビッグデータを分析することで、オフィス空間の徹底的な合理化を進めている。





2016年7月、上海への進出を足がかりに、香港、北京、韓国といったアジア圏への展開を進めるウィーワーク。一方、NYではアメニティーを完備した賃貸住宅を提供する「WeLive」を新たに開始。働く場所のみならず、住空間からウィーワークを広げようと試みる。


ファクトリー(ベルリン)

大企業がラボを続々新設ベルリン流企業集積拠点

ヨーロッパ随一のスタートアップ都市であるベルリンには、近年スタートアップとの提携を望む有力VCや大企業が結集。2011年設立のファクトリーは、200社以上の地元スタートアップと5万人のグローバルネットワークを繋ぐ、ベルリンを代表する企業集積拠点だ。

注目すべき動向は、ファクトリー内での大企業によるイノベーションラボの新設。製造業を中心とした老舗の大企業も、スタートアップとの提携を加速させている。大企業からコワーカーまで、多様なプレイヤーが混ざり合うファクトリーは、従来のオフィス概念で捉えられない“最新型の工場”といえる。





グーグルの起業家向けプログラムのサポートにより急成長したファクトリー。ベルリン発のサウンドクラウドから、ウーバーやツイッター等の米国系テックカンパニーまで、実に多様な企業が入居。14年には、ベルリン市長が利用するなど、分野・業種を超えてイノベーションを志向する人材が集う。


デロイト オランダ本社(アムステルダム)

スマホ連携空間 オランダ発“世界最高のスマートビル”

デロイトのオランダ本社が入居する「The Edge」。開発・企画の段階から同社がデベロッパーとタッグを組み、2015年に完成した。

目指すのは、科学的アプローチによる働き方の革新。ビル内の空間に埋め込まれた約2万8000個のセンサーが読み取った、ワーカーの位置情報や行動履歴と、スマートフォンのアプリを連動させ、会議室や作業スペースの手配、快適な照明と温度の調節等を全自動化。今後は、位置情報から空間を分析し、ワークプレイス側による、ワーカー同士の新たなコラボレーション機会の創出が期待される。



オフィスビルのスマート化の狙いは、社員のオフィス体験の向上。オフィスの滞在時間をいかに充実させ、高度に効率化するか。世界最先端のチャレンジが日夜実施されている。公開されていないビル建設に投じた多額の資金も現地デロイトのCIOによれば、8.3年で回収できるという。

山下正太郎 = 監修 フォーブス ジャパン編集部 = 文

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