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パナソニックの津賀改革は“成功”といえるか?

11日、パナソニックは17年3月期の業績を発表しました。売上高は前期比3.7%減の7兆3437億円、営業利益は約20%増の2768億円、純利益は10%減の1494億円です。

今期は、売上高6%増の7兆8000億円、営業利益は21%増の3350億円、純利益は7.1%増の1600億円を見込みます。


※パナソニック社長の津賀一宏さん

12年に巨額赤字の最中に社長に就任した津賀一宏さんは、本社機能を大幅に縮小するなど構造改革に加え、B2B事業へのシフトを打ち出し、14年3月期に黒字回復を達成しました。一方、売上高より営業利益を重視したこともあって、増益の一方で、売上高は年々減少していたんですよね。それに、円高もありますよね。

それが、今期は4年ぶりの増収を見込みます。本来、企業が成長する過程において、売上高が減り続けることはあり得ません。パナソニックは、再び、増収増益のフェーズに入るところまで、経営が改善したといっていいのではないでしょうか。

津賀さんは、会見の席上、
「今期は、これまでの成長に向けた仕込みが大きく実を結び、車載を中心とした高成長事業が全体の増収を牽引してまいります」と、コメントしました。

車載事業は、津賀さんが社長就任後、B2Bに舵を切る際、真っ先に注力すると宣言した事業で、19年3月期に売上高2兆円を目指しています。今回、津賀さんは、その達成に手ごたえを感じているとしました。

車載事業は、主にインフォテイメントと車載電池です。自動車の自動運転、電動化、コネクティッド化などが進むいま、電機産業にとって、自動車産業には大きな成長余地がある。

なかでもパナソニックで注目すべきは、やはり、テスラ・モーターズの米ネバダ州のギガファクトリーです。
「主力の電池は現在、日本、及び中国でつくっておりますが、今年、ギガファクトリーが本格稼働し、テスラ社の量産EV『モデル3』向けの供給が始まります。すると、本数規模、金額規模におきまして、非常な勢いで北米地域が動いていく」
と、津賀さんは期待を込めました。

北米や中国の車載関連の設備投資の回収は、一般的に7年から10年という償却期間を、前倒しで回収することを目指すといいます。

車載事業は19年3月期に2兆円達成後も、右肩上がりに、「大きく数字を伸ばせる」と、津賀さんは強調しました。昨年、私は津賀さんにインタビューする機会がありましたが、そのとき、すでにギガファクトリーの先を見ていましたからね。
「『モデル3』が成功すれば、イーロン・マスクCEOはさらなる拡大を目指すのは間違いない。そのとき、どこまで応じるかです」と。

もっとも、ソーラーや液晶パネル、半導体の事業などは赤字ですし、投資額の大きい車載電池が、テスラに依存しているリスクもあります。

津賀改革が“成功”したといえるのは、2019年3月期の経営目標である「営業利益4500億円、純利益2500億円以上」を達成したときではないでしょうかね。すなわち、残りは2年。“津賀改革”の真価がいよいよ問われてくるわけですね。

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