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米WDが差し止める根拠ない、メモリー売却で東芝社長

[東京 15日 ロイター] - 東芝<6502.T>の綱川智社長は15日の記者会見で、メモリー事業の合弁相手である米ウエスタン・デジタル(WD)<WDC.O>がメモリー事業の売却に待ったをかけていることについて「WDが(売却)プロセスを差し止める根拠はない」と述べ、これまで通り売却手続きを進めていく考えを示した。

WDは14日(日本時間15日朝)、東芝のメモリー事業売却は合弁契約に反しているとして、国際仲裁裁判所に売却の差し止めを求める仲裁を申し立てたと発表した。

WDの主張に対して綱川社長は「合弁契約に抵触するような事実はない」と反論。「入札の候補者には東芝の主張の正当性を説明し、懸念を払拭(ふっしょく)していくように努力する」と語った。

だが、仲裁判断の内容によっては、メモリー事業の売却が難しくなり、再建計画が見直しを迫られる可能性もある。

<異例の暫定数値公表>

東芝は同日、2017年3月期連結業績見通しを発表した。監査手続きが完了していないため、期末から45日以内に公表するよう要請されている「決算短信」ではなく、暫定数値を見通しとして公表する異例の事態となった。

綱川社長は「決算発表ができないことについて深くお詫びする」と謝罪。6月末が提出期限の有価証券報告書については「法定期限までに提出できるように監査人と協力して最善を尽くす」と語った。

2017年3月期の最終損益は9500億円の赤字を見込んでいる。米連邦破産法11条の適用を申請した米原子力子会社ウエスチングハウス関連の損失が重くのしかかる。

この結果、3月末の株主資本はマイナス5400億円と債務超過に陥る見通し。

赤字額は日立製作所<6501.T>が2009年3月期に計上した7873億円を上回り、国内製造業では過去最大となる。

売上高は前年比5.5%減の4兆8700億円を予想。円高やパソコン・テレビ事業の縮小が響く。

2018年3月期の最終損益は500億円の黒字転換を見込んでいる。ただし、予想数値にはメモリー事業とランディス・ギアの売却を織り込んでいない。

2018年3月期予想の前提となる為替レートは1ドル100円、1ユーロ110円。ドルが1円変動すると、売上高180億円、営業損益60億円の増減要因となる。

同社は予想数値について「監査手続中であり修正される可能性がある」としている。

<法的整理は検討せず>

綱川社長は経営再建に向けて法的整理を選択する可能性について「検討していない」と強調。非上場となって再建を目指す可能性に関しても「考えていない」と語った。

今期以降、監査法人を変更する可能性については「特に決めていることはない」と述べるにどどめた。

(志田義寧 浜田健太郎 編集:石田仁志)

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