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与党自民党、ギャンブル等施設へ依存者の立ち入り禁止制度を示唆

先日、日本共産党の清水ただし衆議院議員が「国交委員会において競艇業界の依存対策の不備を追求します」とかってtwitterで事前告知をしていたので見に行ったわけですよ。以下、その模様を報じたしんぶん赤旗からの転載。

依存症対策 口先だけ カジノ解禁法の口実と清水氏

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-05-10/2017051014_03_1.html

日本共産党の清水忠史議員は9日の衆院国土交通委員会で、競艇場内に設置されている現金自動預払機(ATM)のキャッシング(現金貸し付け)機能の廃止を求めるとともに、全力で依存症対策を行うよう国に求めました。

赤旗上では「政府の依存対策は口先だけだ」と清水議員が舌鋒鋭く追及したとの事になっていますが、実際の委員会質疑(参照)を見ると正直、拍子抜けです。例えば、赤旗は「競艇場内に設置されている現金自動預払機(ATM)のキャッシング(現金貸し付け)機能の廃止を求め」たなどとして報じていますが、このATMのキャッシング機能の廃止は3月に行われたギャンブル等依存対策推進閣僚会議において国土交通省自身が廃止検討を進めるとして示唆をおこなっているものです。以下、当該会議資料より。

ギャンブル等依存症対策の強化に関する論点整理(案)

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/gambling_addiction/dai2/siryou2.pdf

現状

一部の競走場(24カ所中、19カ所)及び場外舟券売場(73カ所中、9カ所)には、モーターボート競走のファンの利便性向上を図るとともに、現金を持ち歩かずに済むことによる防犯上の観点も考慮して、ATM が設置されている。当該 ATM では、キャッシングが利用可能である。

課題

競走場内に設置されている ATM については、ATM 利用にあたっての注意喚起を行っていない。そこで、ATM 利用にあたっての注意喚起を実施する。また、キャッシングで調達した資金で舟券の購入が可能であるため、ATM のキャッシング機能の利用状況を調査し、競走場及び場外舟券売場に設置されている ATM のキャッシング機能の廃止について検討の上、取扱方針を決定する必要がある。

ただ、当然ながら行政における施策決定までには様々なプロセスがあり取り纏めには時間がかかってしまうわけで、共産党の清水議員がやっているのはそのような行政施策が決定するまでのタイムラグを利用して「対応が遅い」と糾弾のポーズを取っているだけ。5月9日の国交委員会内で清水議員から発された質疑内容は、そのほぼ全てがこのように既に行政側で実施もしくはその検討が進められているものに対して言及しているだけであって、省庁自身が起案した施策を超える提案は何一つ為されていないのが実態であります。

昨年末のカジノ合法化論争において、「これだけギャンブル依存が蔓延しているわが国においてカジノ合法化などまかりならん」として壮大に依存問題を煽った共産党ですから、「公営競技を段階的に廃止せよ」くらいぶち上げるのかな?と思っていた私としては、非常に拍子抜けの「および腰」質疑にしか見えなかったのが正直なところ。世の中ではこういうのを「カカシ相手のスパーリング」と呼びます。では日本共産党が「対応が遅い」として糾弾した政府与党側の動きですが、実は先日以下のような構想が進められていることが報じられました。以下、日刊スポーツからの転載。

依存症顧客のパチンコ、競馬など入場禁止制度化へ

http://www.nikkansports.com/general/news/1822947.htm

政府、与党は、パチンコや公営ギャンブルの競馬などで深刻な依存症に陥った顧客に対し、事業者が入場禁止措置を取れる制度を導入する方針を固めた。国内のカジノ解禁を踏まえた依存症対策強化の一環。本人や家族の申告を基に適用する仕組みを想定している。関連法改正も視野に入れ、今夏までに制度の骨格を固めたい考えだ。政府関係者が13日明らかにした。

このギャンブル依存者等の施設利用を禁ずる制度は一般的に「自己除外プログラム」(本人による申請)、もしくは「家族除外プログラム」(家族による申請)と呼ばれる制度であり、現在、諸外国のカジノ産業において実効性のある依存対策の手法のひとつとして導入が広がっている施策であります。我が国におけるカジノ合法化論議においても、当然ながらかなり早い時期からその導入検討が進められており、昨年末のIR推進法の国会審議の中でも幾度となく言及が行われました。

一方、実はこのようなプログラムの導入は、カジノ以外の我が国における既存のギャンブル等産業においても導入が推奨されてきたものではあるのですが、新設されるカジノ産業ならばいざ知らず、この種のプログラムの導入は既存で営業を行っているギャンブル等施設に対して多大な設備投資やシステム投資を求めるものとなります。その為、各業界内ではその導入に対して水面下で激しい「抵抗」が存在するのが実態であります。

その為、先にご紹介した政府内に既に設置されているギャンブル等依存対策推進閣僚会議においては、公営競技が行っているインターネット投票に関してはこの種の仕組みの導入検討が示唆されたものの、施設そのものへの入場制限の導入に関しては各所管省庁による検討対象から外されていたのが現状。そのような及び腰の各所管に対して、導入検討を進めるよう強権発動しようとする動きが今回報じられた政府与党内での論議であります。

正直申し上げると、清水ただし議員が既に各省庁から導入検討が発表されているものを「ポーズ」として委員会内で糾弾したATMのキャッシング機能の廃止なんぞよりも、余程、各業界にとっては「シンドい」対策を求めて動き見せているのが政府与党なのであって、それをしんぶん赤旗が「依存症対策 口先だけ」なぞと報じるのは個人的にはちゃんちゃらオカシイとしか申し上げようが御座いません。

排除制度の導入は、今後、各業界内の反対勢力からの巻き返しなども予想される非常に取り扱いの難しい案件ではありますが、私としては政府与党の動きを応援しております。ぜひ実現させましょう。

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