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愛媛県が外国人林業研修生?

愛媛県が、今年度から3か年の「林業担い手外国人受入れモデル事業」をスタートさせたことを知った。

具体的にはベトナム人研修生を毎年5名程度招き、林業事業体等に就業できるまでの教育や技能講習等について支援するのだそうで、2800万円程度の予算が付けられている。

これまで林業現場に外国人労働者を受け入れる案は幾度も登場しているし、一部には日系ブラジル人など外国人を就労させるケースはすでに行われている。また建築現場や農業でも年々、外国人労働者が増加している現状がある。

その背景には慢性的な人手不足があるわけだが、行政が積極的に関与して林業界に受け入れる例を私はほかに知らない。

しかし、今回の事例で苦笑いしたのは、事業内容が「林業における新たな担い手を確保するため、全国初となる短期の外国人技能実習生の受入れを支援するモデル事業に取り組み、継続的な受入体制を整備し、林業の活性化を図る」とある点だ。

3年間の滞在が終わったら帰国する外国人を担い手とするのは、ようするに林業は単純作業で3年ごとに入れ換えても大丈夫という認識か。多分、さほど技術を必要としない下刈りや切り捨て間伐のような作業に従事させるつもりだろう。それが技能実習か。

農業界の外国人研修生が年々増加しているが、数々の問題が噴き出して批判を浴びていることを知らないのだろうか。下手すると人権問題にもなりかねない。

一方で、その他林業労働力の確保の促進に関する事項の中には、

愛媛県の造林・緑化・木材の搬出等の優れた林業技術の移転を図ることは、諸外国の経済発展と国土保全を担う人材育成が成される重要な国際貢献であり、林業労働力の確保にも繋がるため、外国人を継続的に受け入れる体制を整備を検討していく。

と記している。

この点に関するパブリックコメントの複数の批判的な指摘に対して

外国人技能実習生の活用につきましては、現在のところ、農林水産業において、林業のみが外国人技能実習生の実習期間を2年以上に延長する制度の対象になっておらず、活用されていない現状であるため、今後の国の制度改正を見据え、法律に準拠した適正な制度の運用を行う体制づくりを検討していくこととしたものですのでご理解をお願いします。」と木で鼻をくくったような返事を繰り返している。

担い手確保とか国際貢献という、本音と建前のような言葉の羅列はおいといて、愛媛県の優れた林業技術、とあるところで爆笑した。どこが? どんな優れた技術があるのか、ぜひ具体的に教えてほしい。日本の林業技術は遅れているからと、ヨーロッパから指導者を呼んで学ぼうとしている最中ではないか。(ちなみにドイツ人フォレスターが、日本の林業現場は30年遅れている、と言ったのを聞いたことがある。)

たとえば熱帯と温帯という決定的な風土気候の違いに加えて樹種も生態系もまったく違う中で、どんな造林を教えるのだろう。日本固有種のスギの造林法をベトナム人に教えるのだろうか。それとも熱帯産のチークの育て方を日本の林業家は知っているのか。

木材の伐採や搬出も、低効率が指摘されているのに何を教えるのだ。林業機械の操縦を教えても、ベトナムにない機材だと意味がない。

もっと本音を言えばよい。低賃金で危険な仕事は外国人にさせたいと。使い捨てしたいと。

実は林業は、第一次産業の中で若者率が伸びている職種だ。実際、希望者は比較的いるのだ。自然の中で働きたいという声はよく聞く。

しかし結果的に日本人の林業の担い手が少なくなるのは、あまりの待遇の悪さに起因する。事故率は全産業の平均の12倍に達するのは安全教育がなおざりになっている証拠だ。毎年、多くの人が林業現場でなくなったり大怪我を負っている。

また給与は日当払い・出来高払いがまだ多数を占めているうえ、額も平均以下だ。独り暮らしならなんとかなるが、家族は養えない……と結婚退職(もちろん男子)が多い所以だ。家族ができたら生活を送れないからである。

だから全国に林立し始めた林業スクールの卒業生も、いざとなると林業に就業しない人が少なくない。

どうせなら2800万円を現在の林業従事者の給料に上乗せしたらどうか。離職を防いで定着率を上げられるし、新たに参入するケースも期待できるだろう。

日本中、どこも腐った政策が横溢している。

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