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【東芝の原発子会社その後】

東芝の米原発子会社=ウェスチングハウスと、原発を発注した米電力会社の交渉が続いていますが、今後の建設について決める2回目の期限だった5月12日サザン電力ボーグル原発のマネージメントをウェスチングハウスから引き受けることで合意したと発表しました。

6月3日まではこれまで通りWHが建設を進める一方で、移行に向けた作業に入るということです。ただし、東芝が37億ドル(約4000億円)の親会社保証を履行することが前提です。

そうこうしている内に「電力使用量は増えていないし、そもそも原発は不要では」という意見が地元で出たり、ジョージア州の公共サービス委員会の委員(コミッショナー)がペリー・エネルギー長官に介入を呼びかけたり、さまざまな思惑で動きが出ています。

ReutersはSouthern Co to manage construction of Georgia nuclear plant(サザン電力、ジョージア州の原発建設を管理することに)の中で、サザン電力が子会社のジョージア電力と東芝の子会社のウェスチングハウスが、原発建設のプロジェクトマネージメントをサザン電力に移管することで合意したと発表したと伝えています。

具体的な移行時期は、「現在のEPC(エンジニアリング・調達・建設)契約が、WHの破産手続きで無効とされた段階」だとしており、 6月3日まではWHが建設工事を行うということです。

Wall Street Journalは、Southern Reaches Short-Term Deal With Westinghouse on Nuclear-Power Plant(サザン電力、ウェスチングハウスとの間で原発めぐり短期の合意に達する)の中で12日、サザン電力は、3月に経営破綻したウェスチングハウスとの間でボーグル原発のマネージメントを引き受け、建設も続けることで合意したと伝えています。

サザン電力は先立って、合意に達しない場合、6000人の雇用をうみだしている原発の建設を中断すると主張していました。

「サザン電力は、WHの親会社の東芝に対して37億ドルの親会社保証を履行してもらう必要があり、不透明感が残る。親会社保証が支払われるかどうかで原発が完成するのか最終的に計画破棄となるのかが決まる」とも指摘しています。

サザン電力によると、6月3日まではWHがこのまま建設を続けるということで、追加費用の算出が終わるこの夏までに原発を完成させるかどうかを判断するということです。

サザン電力の声明文には「われわれは、ウェスチングハウスと東芝に対して金融面の義務を履行するよう引き続き求める」と記しています。

<声明文> http://www.prnewswire.com/news-releases/new-service-agreement-reached-for-vogtle-nuclear-expansion-300457135.html

ボーグル原発3号機は2019年、4号機は2020年に完成するはずでしたが、11日にジョージア州公共サービス委員会(Georgia Public Service Commission)で行われたヒアリングで、ジョージア電力は、これが現実的でないことを認めました。

委員会の委員(コミッショナー)のひとりTim Echolsが12日にツイッターで「東芝が経営破綻したらアメリカの新規原発の建設に止めを刺すことになる。願わくばペリー・エネルギー長官が介入を」と期待を示しています。



Bloombergは、サザン電力のTom Fanning CEOが前の週にはインタビューで「(WHがプロジェクトから一刻も早く抜けたいことを)思いっきり示している」と発言し、約束通り東芝が37億ドルの親会社保証を履行すればボーグル原発の建設を引き受けると述べました。

また、ウェスチングハウスがサウスカロライナ州で手がけているVCサマーの2基の原発を発注したSCANA電力が同様の決断をすることも条件だとファニングCEOは示唆しています。その場合、2つの電力会社でリソースを共有できるためだそうです。

SCNA電力の方は、ウェスチングハウスとの間で6月26日までWHが建設を続けることで合意したと先月発表しました。

Bloombergは、ウェスチングハウスの破産手続きについても報じています。

WHに8億ドル(約900億円)の運転資金を提供したアポロ・マネージメント・マネージメントが最大の債権者だとした上で、今後の債権債務の整理をめぐる裁判が5月26日に行われるとしています。

地元のAtlantic Journal-Constitutionは、11日に開かれたジョージア州公共サービス委員会のヒアリングで、6000人が原発サイトで働いていて、まだ43%しか建設が終わっていないと報告したと伝えています。

2016年後半に計画より4か月遅れ、ことしに入ってさらに遅れが目立つようになったということで、2基の原発が予定通り2019年と2020年に稼動するのは現実的でないとも報告しました。

この2基の建設にあたって、ジョージア電力(サザン電力の子会社)は、WHの経営破綻以降、建設続行にあたって毎月、約5000万ドル(約56億円)を支出しているそうです。

ジョージア電力などは、政府からのローンや債務保証で80億ドルを確保。さらに利用者の電力料金に年間約100ドル(約1万3000円)を上乗せすることでこれまでに20億ドルを集めたとしています。

一方、ジョージア州の人口が2009年から6%増えたにもかかわらず、省エネや経済の低迷により電力の使用量は横ばいのため、そもそも原発は不要だという意見も紹介しています。

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