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英国のEU離脱による混乱リスク

5月11日のイングランド銀行の金融政策委員会(MPC)では、7対1の賛成多数で金融政策の現状維持を決定した。フォーブス委員が即時の利上げを主張した。残りの委員らも上向きのニュースがあれば、利上げ支持に回るのはそう難しくないとの姿勢を示した。そしてスムーズな離脱を想定した経済予測の通りに景気が拡大すれば、市場が示唆しているよりも速いペースでの利上げが必要となる可能性があるとの認識を示した(ブルームバーグ)。

イングランド銀行の政策委員は定員が9名だが、シャーロット・ホッグ委員の辞任によって現在は8人となっている。

同時に経済予測も発表したが、これはEUとの交渉がこじれないことを想定した予測だそうである。カーニー総裁も「これとは別に、無秩序な交渉プロセスになる場合の予測も準備しなければならないだろうが、まだ行っていない」と会見でコメントした。

カーニー総裁の発言を受け、外為市場ではポンドが下落した。EU離脱の際の混乱の可能性、それによる英国経済への影響、さらにはイングランド銀行が利上げではなく、さらなる金融緩和を迫られる可能性などが意識されたものとみられる。

しかし、このポンド安が英国経済にはプラスとなるとの見方で、英国の株式市場はしっかりするなど一概にリスク回避の動きばかりとはなっていない面もある。イングランド銀行は2017年のインフレ予想は2.7%と従来の2.4%から引き上げたが、これはポンド安の影響も加味されているとみられる。

フランスの大統領選挙でのマクロン氏の勝利によって、ひとまずユーロ圏の政治リスクは大きく後退した。しかし英国はEU離脱をすでに決定してしまっており、今後どのようなかたちでEUを離脱し、それが英国経済や金融市場にどのような影響を及ぼすのかは不透明要因となる。グローバルに展開している金融機関などにとってもロンドン市場の今後を考慮すれば不安要因となろうが、いまのところ金融市場が英国リスクで動揺するようなことはない。しかしこれについても潜在的な不安要素となっていることも確かであろう。

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