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円安の背景に欧州の政治リスク後退と6月の米利上げ観測

外為市場でドル円は4月17日の108円台前半を目先の底として上昇基調となり、ここにきて114円台を回復してきた。108円台まで下落していたのは3月上旬の115円台をつけたあたりからとなり、チャート上としては115円台がひとつの目安となりそうである。

このドル円の上昇のきっかけは、ムニューシン米財務長官が4月17日のFTとのインタビューで、トランプ大統領は短期的なドルの強さについて事実に基づく発言を行ったと述べ、長期的に見て強いドルは良いことだと指摘したことがある。しかし、ドル円の上昇のタイミングで米債が下落基調となっていたことで、米長期金利の上昇を受けてのドル買いの側面もあったとみられる。

また、フランス大統領選挙を控えた世論調査でマクロン氏の支持率が上昇したことで、欧州の政治リスクへの警戒感が後退し、FRBの利上げに対する支障が除かれると観測も米長期金利の押し上げ要因になった。

4月23日のフランスの大統領選挙では、予想されたようにマクロン前経済相と国民戦線のルペン党首の2人が決選投票に進むことになった。この二人が決選投票となればマクロン氏優位との見方が強かった。これを受けてドル円も111円台に上昇してきた。

5月2日、3日に開催されたFOMCでは金融政策の現状維持を決定した。声明文では、第1四半期の経済成長の減速は一時的である可能性が高いとし、経済活動が緩やかなペースで拡大し、労働市場の状況はさらにいくらか力強さを増していると指摘した。FRBの年内3回(あと2回)というペースに変化はないと認識され、これは米長期金利の上昇要因となり、ドル高要因となった。

5月7日に行われたフランス大統領選の決選投票の結果は、事前の予想通りに中道で無所属のマクロン候補が「極右政党」のルペン候補を破り勝利した。これで欧州の政治リスクは大きく後退し、リスク回避の反動からドルが買われやすくなり、米債には下落要因となった。

ただし、米債は売られたとは言ってもいまだ3月につけていた2.6%にも届かず、利上げを織り込んでいるにしては下落ペースは極めて緩やかなものとなっている。これは物価等も意識してのものとも思われるが、FRBにとっては過剰反応していない分、利上げをしやすくなるとも言える。

今後の動きについては、フランス大統領選挙という大きなイベントが無事通過し、一時緊張が高まっていた北朝鮮も、いまのところ大きな動きが出る様子もない。トランプ政権はやや不安定に見えるものの、FRBの利上げを阻むような要因も見えない。

今後は6月のFOMCでの利上げの行方が焦点となろうが、市場では利上げをかなり織り込んできていることも確かである。ECBの政策転換も注目材料となろうが、大きく舵を取ることはむずかしい。ましてや日銀は動くに動けない。これをみる限り、米国と日欧の金融政のスタンスの違いは明らかで、これもドルが買われやすい要因となる。

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