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トヨタの憂鬱

私の会社のレンタカー部門。人気のあったレクサス(日本未発売のES)からベンツのC型に近く変更することにしました。海外におけるベンツの圧倒的ブランド力は半端ではなく、レンタカー業としてはやむを得ないのかな、と思っています。

多くのレクサスを借りてくれたお客様からは「初めて乗ったけどいいねぇ」と前向きのコメントをたくさん貰いましたが、心を完全に許しているようには聞こえませんでした。但し、確実に言えることは品質は素晴らしくよく、非の付け所がないと申し上げておきます。成績優秀でまじめなクルマという感じでしょうか?日本人のクルマづくりそのものであり豊田章男氏の性格がにじみ出ています。

バンクーバーで車を運転しているとそれこそクルマの品評会のような状態なのですが、トヨタのクルマが目立たないのはなぜでしょうか?レクサスは確かに多く、また、どの車種にも統一された精悍なフロントグリルが目に付くのは確かなのですが、トヨタブランド車となると埋没します。

自動車産業が成熟化したと同時に顧客も成熟化し、いろいろなクルマを乗り継ぎ、自分のスタイルを持ちつつあります。そうなると主張するクルマが欲しくなるのは当然です。SUVでないと絶対嫌だというわがままな客もいるし、ハイキングに行くためのスペシャリティカーが欲しいという人もいます。ランボルギーニやフェラーリなんてごろごろ走っています。

そうなるとやはり尖がったクルマが欲しいところなのですが、これは社風なんでしょう、トヨタにそれを求めるのは無理というものです。

発表された18年3月期の決算予想は純利が18%減で2年連続の減少となる1兆5000億円であります。トヨタショックといってもよいでしょう。

個人的には長年そんなにファンではなかったのですが、ここにきてトヨタは踊り場を迎えたかな、という第三者的思いがあります。

つまづきの一つ目は燃料電池のクルマに期待が高すぎたこと、二つ目にそれに伴う電気自動車の将来性を甘く見たこと、三つ目にマーケティング的に中流層にターゲットした顧客層が飽きを感じていることやブランディングのイメージがわかなくなったことが挙げられます。(北米ではカローラとカムリのイメージが強すぎます。)ハイブリッドがカリフォルニアの環境基準で評価されていないこともあるでしょう。

日経ビジネスに長期連載で「トヨタ生産方式を作った男たち」(野地秩嘉著)が掲載されています。既に連載50回を超えている大作です。が、トヨタ生産方式など技術のトヨタ、品質のトヨタのこだわりは分かるのですが、その次が一向に出てこないところに一抹の不安すら感じるのがこのノンフィクションの話であります。

私ごときがこんなことを言ってはいけないのですが、中国には「ありえない」と思われるような車がどんどん販売されているようです。観音開きにガルウィング、運転席や助手席が180度回転してテーブルが出せるなど、なるほど、面白いと思わせるものが出ています。もちろん、そんなもの、比較にならないと一蹴されると思いますが私はそのチャレンジがなくなったのが日本のクルマのような気がします。

売れそうな王道のクルマをひたすら作り続けるのは商売としては成功なのかもしれません。しかし、今の社会がある日突然、急展開するのも事実です。日産が「ノート」でガソリンを電気に転換するレンジエキスパンダー方式のクルマを昨年10月に販売、今年の日本の販売ランキングは1月から4月がそれぞれ、1,2,1,3位であります。いわゆるトヨタの販売力を考えるとこの日産の成績はこのランキング以上の評価に値するものだと言わざるを得ません。

個人的にはトヨタに野性味を持たせてほしいと思います。自動車レビューで100点を取らなくてもいい、好き嫌い分かれるけど挑戦したというクルマが欲しいですね。個人的には年寄りが助手席や後部座席に乗るのがとても億劫そうだということに気がつけばもっと乗り降りしやすいクルマを作るなど知恵はあると思います。

ところで最後になりますが、クルマの話ついで恐縮ですが先日も91歳の高齢者が高速を逆走したようです。これを防ぐ方法、私ならカメラを出口に逆向きにつけ、車が逆走した時点で高速の出口に踏切のようなゲートが降りるか逆走車警告サインが出るようにしたらよいと思います。こんなもの、ものすごく安くできるので数があってもコストは知れています。クルマのインフラも時代と共に見直さないといけないということでしょう。

では今日はこのぐらいで。

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