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北朝鮮は米国との取り引きに応じるか

評論家やマスコミが北朝鮮問題の危機を煽り、さらに警戒警報がでているわけでもないのに地下鉄や鉄道までストップしたという話は、日本がいかに戦争とは無縁な国なのかを象徴する出来事だったのではないでしょうか。

”泰平の眠りを覚ます上喜撰たった四杯で夜も眠れず”という狂歌がありますが、そろそろ日本の安全保障について国民自らが真剣に考える時期がやってきているのだろうと感じています。そのほうが危機を煽る情報操作に対する免疫力も高まるのではないでしょうか。

さて、トランプ大統領は「適切な状況下」となれば、金正恩との対談をする気があると発言しています。しかも金正恩と会えれば「光栄」だとしたことには驚かされました。

「適切な状況下」が何を指すのかは示されていませんが、中国には米国の方針が伝えられたと日経が報じています。もし北朝鮮が核・ミサイル開発を放棄したには、米国は次の「4つのノー」を約束するとのことです。

北朝鮮にとっては実にいい話ではないでしょうか。

(1)北朝鮮の体制転換は求めない

(2)金正恩政権の崩壊を目指さない

(3)朝鮮半島を南北に分けている北緯38度線を越えて侵攻することはない

(4)朝鮮半島の再統一を急がない

米、対北朝鮮「核放棄なら体制認める」 中国に伝達 : 日本経済新聞 :

この動きに合わせるかのように、8日から2日間、北朝鮮の当局者とアメリカの元国連大使らによる非公式の会合がノルウェーで開催されることが伝えられています。

トランプ大統領と金正恩の会談に向けた動きなのかもしれませんが、はたして会談は実現されるのでしょうか。そして対話が成立することで、北朝鮮は素直に核・ミサイル開発を放棄するのでしょうか。

世の中には絶対こうなるということはありませんが、かなり悲観的だと思います。

北朝鮮の戦略は一貫しています。核とミサイルを持つことが、政権を守る唯一の道であり、その目標はなにがあっても放棄しません。その戦略が世襲されているわけで、こちらは筋金入りです。一方のトランプ政権は発言がコロコロ変わったり、政権基盤が弱いため、まだほとんど大統領としての仕事はできていません。

しかも、ISとの戦いに集中すると言っていたにもかかわらず、選挙後には、化学兵器を使ったとして、アサド政権の基地にミサイル攻撃した矢先です。北朝鮮はアサド政府を支持し、北朝鮮の地上軍2個部隊も送りこんでいるとさえ言われている深い関係です。シリア攻撃はトランプ大統領への警戒感を高めたはずです。

北朝鮮2個部隊、シリア内戦でアサド政権を支援 : 東亜日報 : 

トランプ大統領と取引しても、信用できるわけがないと北朝鮮が考えるほうが自然です。しかも今の状態を見れば、任期の4年を全うすることができるのかもかなり怪しいところです。トランプ大統領の任期が終わればまたどう米国の態度が変わるかわかりません。

確かに、トランプ大統領の発想や行動力は評価できる面はあっても、あまりに知識が乏しいというか、マッチョな思い込みが目立ち、政策が思うようには実行できず、信頼を失いつつあるように感じます。もちろん金正恩会談が実現できれば、歓迎すべきでしょうが、米国の関係者が黙ってそれを見過ごすという感じがしません。

せっかく安倍内閣の防衛力強化の意図とも合致し、日本に高額な防衛装備を売るビジネスチャンスが熟してきているのに、南北の緊張関係が緩和すれば、そんな話も台無しになりかねません。それだけではなく、もう実験段階に入っているといわれる次期ミサイル防衛システムの開発にブレーキがかかることにもなりかねません。

そんな状況を金正恩政権もわかっているはずで、だから今がチャンスとして応じるのでしょうか。いやもっと長期を見据えて判断するような気がします。

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