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日本が2050年には先進国から転落? 経済界の女性を働かせればいいという発想 労働者の低賃金こそ改めよ

5月5日の日は子どもの日、総務省の発表によれば15歳未満の子どもは1571万人であり、36年連続の減少です。
ピークだった54年の2988万人からほぼ半減です。
少子高齢化は加速しています。

さて少子化は労働力人口の減少でもありますが、経団連シンクタンクの調査では、何と2050年には日本が先進国から転落しているかもという記事を報じました。

日本、2050年までに先進国から転落の恐れ 経団連シンクタンク」(2017年4月20日)

「人口減少や少子高齢化、生産性の伸びの減速による経済の縮小により、日本は2050年までに先進国から転落するかもしれないと警告する報告書を、日本経済団体連合会(経団連、Keidanren)が設立したシンクタンク、21世紀政策研究所(The 21st Century Public Policy Institute)が発表した。」

日本の生産性が減少しているのは、誰もが実感しているところではないでしょうか。
いくら政府がアベノミクス効果を宣伝しても庶民生活は相も変わらずですから、どう考えても先細り感は満載です。
安倍政権による経済政策(アベノミクス)自体が失敗しているのですから、少子化がどうこういう問題ではありませんが、経済の先細りはアベノミクスの失敗だけではありませんし、少子化の問題でもありません。

もともと、少子化などは人類の当然の流れであり、人口が増え続けることにしか経済の活路を見いだせないとする方が異常なのです。地球資源は有限であるということを忘れてはなりません。

中国の一人っ子政策の廃止と日本の少子化、憂うべきは人口減少ではなく生産力の低下

上記21世紀政策研究所は女性が働けば現状を維持できるとも言っています。

「報告書は、女性労働力率を2040年までにスウェーデンと同水準まで向上させることができれば、日本は2050年まで世界第4位の経済大国の地位を保つことができるだろうとしている。」

女性労働率を上げればということですが、問題なのはどのような職種を想定しているのかです。
ただでさえ、賃金格差が問題になっているわけで、それで働けなどと言うのであれば経済界の主張は身勝手というほかありません。

そもそも労働に対する問題は女性のみの問題ではありません。
派遣労働が固定化されたり、3K労働と言われた分野では、人材確保がより困難になってきています。その原因は、激務であるというだけでなく、そもそも3K労働を嫌うという状況もあり、敬遠されている職種には現在、多くの外国人労働者が担っています。農業などの第1次産業も同様です。

他方で、この報告書の中に記述があるのかどうかはわかりませんが、かねてより経済界は外国人労働者の移入を主張しています。今のような限定的な外国人労働力の利用ではなく、単純労働も含め解禁せよという主張です。

日本人については男女を問わず、低賃金で働かせるという手法は、既に破綻しているし、だから低賃金で働く外国人労働者を移入させよ、ということになっているのですが、このような目先の政策で経済が持続するはずもありません。

そもそも技能実習制度の非人道的な在り方をみてもわかるとおり、絶対に取り得る政策ではありません。論外であり、技能実習制度こそ廃止されれるべきものです。外国人労働者を受け入れるのであれば同一労働同一賃金の保障は当然です。

かつての日本の高度経済成長を支えたのは、日本の農村の過剰人口でした。都市部の工業地域に農村から大量に移り住み、日本の生産性を維持していたのです。

ところが、農村人口は自民党の農業政策の失敗ともあいまって急速に高齢化と過疎化が進み、人材の供給源ではなくなりました。
もともと、何故、都市部の発展のために農村の人たちが下支えをしなければならないのか、大いに疑問です。
中国の経済発展も似たようなもので、都市部の人たちは生産労働には従事せず、農村からの出稼ぎに依存している構造です。

その後、都市部に出てきた人たちは都市化し、最初から都市で生まれ育った子たちは、やはり生産労働には従事しない、という循環になっています。
建築現場やトラック運転手、タクシー乗務員が高齢化していることが端的に物語っています。

日本で労働は尊ばれているのか、今一度、振り返る


労働

その一昔前、男はつらいよ、フーテンの寅さんの映画の中では、「額に汗して、油まみれになって働かないと」というセリフがありました。時代は、高度経済成長を迎える時代でしたが、都市部に流入してきた人たちによって支えられていました。

こうした一方的な流入が切れてしまうのですから、経済成長など望むべくもないのです。
ネットで買い物をすれば自宅に品物が届くといっても誰かが支えなければならないという当然のことが全く無視され、企業の利益なのに「消費者」の利益という言葉ですべてが正当化されてきたのです。

ネット社会がもたらす配達という利便には大きな代償が伴う便利さだけを享受することはできない
ヤマト運輸が配送料の値上げに踏み切りましたが、その負担が消費者に転化されることは当然のこととはいえ、私たちに現実を突きつけたということです。

労働によって支えるという当たり前のことができなくなったのであれば、生産力も国力も低下していくのは当たり前のことです。
労働を蔑視し、低賃金に追いやってきたことこそ、日本の生産力を衰退に向かわせていることを思い知るべきです。

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