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バフェット氏の後悔にみる世の先取り

ウォレンバフェット氏率いるバークシャーハザウェイ社の年次総会ではバフェット氏のトークを聞こうと多くの人が集まります。投資の神様から天の声を聞き、投資方針を考える人も多いようです。その年次総会、今年は反省の弁となったことが話題になっています。

「IBMの投資は失敗。アマゾンに投資すればよかった」と。またマンガー副会長が「アルファベット(グーグル)に投資していなくて悔しい」としたことと合わせると大きな軌道修正を感じないわけにはいきません。

バフェット氏の投資スタイルは世の中で普遍的に必要になるものやサービスを提供する会社に長期的に投資し、配当金やキャピタルゲインを通じて莫大なる利益を上げてきました。しかし、そのバフェット氏、かつて長者番付ではビルゲイツ氏と並び常に1位か2位であったのですが、今回はアマゾンのベゾフ氏に抜かれ、3位に転落するようです。

この変化は何も考えなければそれまでですが、大きな変化のヒントが隠されていると思います。

まず、バフェット氏が不得手だったIT関係の投資にもかかわらず打って出たのがIBM。それも2011年と遅く、私からすれば同社の旬は既にとうに終わっていた時期です。むしろ、まだその頃は予想がつかないアマゾンやグーグルら新興のIT企業がどこに照準を合わせているのか、わかりにくい中、急激に伸びてきた時代でもあります。

私はこれを戦国時代の戦いに置き換えて考えたりしています。この乱世を最後、抑えるのは誰なのか、と考えると経営者の圧倒的センスに大衆が熱狂するような相手でありましょう。織田信長のような強さに武将がフォローするようなイメージで、将来を賭けてみたくなる会社であります。それはカリスマ性が引っ張り上げ、一般的な企業統治とは若干異にするスタイルかもしれません。

もちろん、一時的に市場を制圧したとしても虎視眈々とそのポジションを狙っている人間はいつの時代にもいます。明智光秀がそうでした。豊臣亡きあとの徳川家康もそうでした。それが短命であることもあるし、長期安定政権になることもあります。これは読めませんが、少なくとも時代が移り変わることは確かであります。

バフェット氏の好みは昔から知っているあの名前の安定感でしょうか?そして少なくともずっと勝ち続けましたが、昨年「アップルに投資をする」と決めたあたりから先読みではなく、フォローに変わっていきます。そして今年は失敗したと後悔に変わります。

最近の北米の株式市場では案外元気がいいのはIT関連。アップルもアルファベットも史上最高値圏にあります。私が比較的長く投資しているアリババも育ってきています。

この変化を日本の市場で探すと日経に面白い記事を見つけました。「もはや『丸紅電力』全社利益の4分の1を稼ぐ」とあります。総合商社がいつの間にか電力事業を伸ばし、特に丸紅は中国電力をもしのぐ発電能力を駆使し、稼ぐ柱に育て上げました。商社が電力で稼ぐという図式を10年前想像した人はいないでしょう。

先日、バンクーバーの電機店でそろそろ買い替え時期を迎えるノートパソコンを見ていたところ、日本製の製品は一つも並んでいませんでした。これも時代の変化です。ずいぶん前には携帯電話の端末もなくなりました。(ソニーのExperiaも私の携帯通信会社では扱っていません。)日経ビジネスが「モノづくりニッポン」と特集を打っていたのはまだ6-7年前だったはずです。

一方でその日経ビジネスに「VWとグーグル、『量子』で先行」という地味な記事があります。が、この「量子力学」は「量子アニーリング理論」を考案した東京工業大学の西森秀稔教授と門脇正史氏の理論を展開、商用化したものとあります。つまり日本で基礎研究されたものが日本企業で展開できない苦しさを読み取ることもできます。

東芝の事件では投資家から見れば将来が期待できる展望が全く思いつかず、ハゲタカが皆でつっつきあうレベルまで下がってしまったわけです。日本発の夢を世界に売る会社が急激に減り、余りにも地味で、体力(=資金力)がないことも気になります。

この辺りに日本の株価とアメリカの株価の動きの差が出てきたこともあるのでしょう。世の動きとはバフェット氏すら失敗するほど魑魅魍魎なのであります。変化の3歩先を読む力が必要になってきたとも言えそうです。

では今日はこのぐらいで。

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