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米4月雇用統計・NFP、20万人の大台を回復も平均時給は伸び悩み

Non Farm Payrolls Beat Forecast While Average Hourly Wage Growth Slows.

米4月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)は前月比21.1万人増と、市場予想の19.0万人増を大幅に上回った。2016年5月以来の水準へ落ち込んだ前月の7.9万人増(9.8万人増から下方修正)を大幅に超え、3月を除き年初来からの20万人台の流れへ戻している。米4月ADP全国雇用者数や人材派遣会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社が発表した4月の採用予定数で明らかになった動きと、整合的。過去2ヵ月分は、0.6万人の下方修正(2月分が21.9万人増→23.2万人増)となる。2〜4月期平均は17.4万人増で、2016年の平均18.7万人増を下回った。

NFPの内訳をみると、民間就労者数が前月比19.4万人増と、市場予想の19.0万人増を上回った。2016年5月以来の水準へ落ち込んだ前月の7.9万人増(8.9万人増から下方修正)を経て、力強く回復している。民間サービス業が17.4万人増と、2012年6月以来で最低の伸びだった前月の5.4万人増(6.1万人増から下方修正)を大きく上回った。セクター別動向では、3月に1位だった専門サービスが3位に転落。代わりに前月トップ3圏外だった娯楽が返り咲き、2位は前月と変わらず教育/健康だった。足元減少していた小売は、増加に反転。国防を除く政府職員の採用を凍結したものの、州・地方政府が支え政府は増加幅を拡大した。ただ同大統領令は撤回済みで、5月は回復の可能性が大きい。詳細は以下の通り。

(サービスの主な内訳)
・娯楽/宿泊 5.5万人増>前月は0.9万人像、6ヵ月平均は2.0万人増
(そのうち食品サービスは2.6万人増、過去12ヵ月平均は2.2万人増)
・教育/健康 4.1万人増>前月は1.0万人増、6ヵ月平均は3.7万人増
(そのうち、ヘルスケア/社会福祉は3.7万人増>前月は1.6万人増、6ヵ月平均は3.1万人増)
・専門サービス 3.7万人<前月は5.7万人増、6ヵ月平均は4.8万人増
(そのうち、派遣は0.6万人増<前月1.3万人減、6ヵ月平均は1.0万人増)

・金融 1.9万人増>前月は0.4万人増、6ヵ月平均は1.3万人増
・政府 1.7万人増>前月は0.2万人像、6ヵ月平均は0.1万人増
・卸売 0.8万人増>前月は0.1万人増、6ヵ月平均は0.5万人増

・その他サービス 0.7万人増>前月は±0万人、6ヵ月平均は0.3万人増
・小売 0.6万人増>前月は2.7万人減、6ヵ月平均は0.5万人減
・輸送/倉庫 0.4万人増<前月は0.7万人増、6ヵ月平均は0.8万人増

・公益 0.1万人増>前月は±0万人、6ヵ月平均は±0人
・情報 0.7万人減<前月は0.6万人減、6ヵ月平均は0.7万人減

財生産業は前月比2.1万人増と、3月の2.3万人増(2.8万人増から下方修正)から鈍化した。ただし、8ヵ月連続で増加。3月のように北東部が豪雪に見舞われるような悪天候を観測せず建設が改善したものの、限定的な伸びにとどまっている。製造業も5ヵ月連続で増加したが、前月ほどの勢いに乏しい。鉱業は

原油価格が安定的に推移するなか、6ヵ月連続でプラスだった。

(財生産業の内訳)
・建設 0.5万人増>前月は0.1万人増、6ヵ月平均は2.4万人増
・製造業 0.6万人増<前月は1.3万人増、6ヵ月平均は1.0万人増
・鉱業/伐採 1.0人増(石油・ガス採掘は0.1万人の増加)>前月は0.9万人増、6ヵ月平均は0.6万人増

NFP、20万人の大台を回復。

nfp
(作成:My Big Apple NY)

平均時給は前月比0.3%上昇の26.19ドル(約2,900円)と、市場予想に並んだ。前月の0.1%(0.2%から下方修正)を上回っている。前年比では2.5%上昇したが市場予想並びに前月の2.7%に届かず、7ヵ月ぶりの低水準。2009年4月以来の力強さを遂げた2016年12月の2.9%を下回るトレンドを維持した。

週当たりの平均労働時間は34.4時間と、市場予想と一致し前月の34.3時間から延びた。財部門(製造業、鉱業、建設)の平均労働時間は40.3時間と前月の40.1時間を超え2月の水準へ戻している。ただ、約7年ぶりの高水準を遂げた2014年11月の41.1時間は遠い。

失業率は4.4%と、市場予想の4.6%だけでなく前月の4.5%を下回った。景気後退以前の2007年5月以来の水準まで改善が進み、3月に公表した米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーによる2017〜19年見通し以下となる。マーケットが注目する労働参加率は62.9%と、原油安が開始する前である2014年3月以来の水準へ回復した2~3月に63.0%から低下。労働参加率が失業率低下の一因を担った格好だ。なお労働参加率のボトムは2015年9〜10月で62.4%と、1977年9月以来の低水準だった。

失業者数は前月比14.6万人減と3ヵ月連続で減少し、失業率の低下を促した。雇用者数は15.6万人増と3ヵ月連続で2桁増を記録している。おかげで 就業率は60.2%と、前月の60.1%を超え2009年2月以来の高水準を果たした。

フルタイムとパートタイム動向を季節調整済みでみると、フルタイムは前月比0.4%増の1億2,599万人と6ヵ月連続で増加した。パートタイムは1.3%減の2,723万人と、3ヵ月ぶりに減少している。増減数ではフルタイムが48.0万人増、パートタイムは37.0万人減となる。

総労働投入時間(民間雇用者数×週平均労働時間)は民間雇用者数が力強い伸びを示したほか週当たり平均労働時間も延びたため、前月比0.4%上昇し8ヵ月連続で伸びた。平均時給は前月比で伸びが強まったため、労働所得(総労働投入時間×時間当たり賃金)は前月比0.7%上昇し前月の0.3%から加速した。

イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長のダッシュボードに含まれ、かつ「労働市場のたるみ」として挙げた1)不完全失業率(フルタイム勤務を望むもののパートタイムを余儀なくされている人々)、2)賃金の伸び、3)失業者に占める高い長期失業者の割合、4)労働参加率――の項目別採点票は、以下の通り。

1)不完全失業率 採点-○
経済的要因でパートタイム労働を余儀なくされている不完全失業率は8.6%と、前月の8.9%を下回り2007年12月以来の最低を更新した。不完全失業者は317.2万人と、3ヵ月連続で減少。ムニューシン米財務長官候補が指名公聴会後に書簡で重視すると明らかにしたU-5すなわち縁辺労働者を含む失業率は5.3%と、前月の5.4%から改善が一段と進んだ。

2)長期失業者 採点-○
失業期間の中央値は10.2週と前月の10.3週から短縮しつつ、2008年11月以来の10週割れに至らなかった。平均失業期間は24.1週と、前月の25.3週を下回り2009年6月以来で最短に。27週以上にわたる失業者の割合は22.6%と、前月の23.3%を下回り2009年1月以来の水準に並んだ。

3)賃金 採点-×
今回は前月比0.3%上昇、前年比は2.5%上昇し、3月の2.6%並びに2009年4月以来の高水準だった2016年12月の2.9%以下のトレンドを維持。生産労働者・非管理職の平均時給は前月比0.3%上昇の21.96ドルに並んだが、前年比は2.3%の上昇にとどまった。非管理職・生産労働者の賃金は、2016年10月からの流れを引き継ぎ管理職を合わせた全体を下回ったままだ。

平均時給、前年比では引き続き生産・非管理職の労働者が管理職を含めた全体に及ばず。

wage
(作成:My Big Apple NY)

4)労働参加率 採点-△
労働参加率は62.9%と2~3月に示した原油安が開始する前の2014年3月以来の水準、63.0%を下回った。金融危機以前の水準である66%台が、また一歩遠のいている。 軍人を除く労働人口は0.1%増の1億5,316万人と、6ヵ月連続で増加した。労働参加率が改善した通り、非労働人口は0.2%増の9,438万人と2ヵ月連続で増加した。

ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙は、結果を受けて「米経済は4月に力強い就業者の伸びを達成(U.S. Economy Adds a Robust 211,000 Jobs in April)」と題した記事を配信。6月13~14日開催のFOMCで利上げを行う公算と報じた。

——米3月雇用統計・NFPの大幅減速並びに米1~3月期国内総生産(GDP)速報値の弱含みは、統計上の歪や暖冬要因など経済のファンダメンタルズ以外の要因で落ち込んだ実体が浮かび上がってきました。ただし、平均時給の伸び悩みは気掛かり。NFPの牽引役が高賃金の専門サービスではなく、娯楽だったことが一因でしょう。不完全失業者や長期失業者などの改善を含み労働市場に明るいニュースを届けた一方、労働参加率の低下も確認しました。労働市場は、失業率が示すほど完全雇用に近づいていないようです。

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