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護憲派は改憲案に賛成すべきだ

2020年までの改憲を目指すという安倍首相のメッセージが出た。9条1項・2項を維持したまま、自衛隊の合憲性を明文化するという。妥当な改憲案だ。すでに公明党と維新の会が賛同を示したという。世論調査を見る限り、世論の支持も集まりやすい案だろう。ここにきて安倍首相は極めて現実的な手を打ってきたと言える。成立する可能性は高いのではないか。

 20万人以上の自衛隊員が、数世代にわたって受けてきた心理的負荷を考えれば、憲法に自衛隊合憲根拠を明文化することは、正義にかなう。簡明に、自衛隊の合憲性を明示するだけの文章の追加が提案されることを期待する。

 自衛隊合憲化の改憲案に反対する者は、自衛隊違憲論者ということになる。憲法学界以外の世界では少数派だろう。「違憲とは言わないが、合憲としてしまっては、軍国主義に対する歯止めがなくなるのではないか」、といった煮え切らない態度は、無責任だと私は考える。

 あえて言う。護憲派こそ、この改憲案に賛同すべきだ。そうでなければ、護憲派は生き残れない。中途半端な政策論で憲法条項を左右しようとするのであれば、結局、「何でも反対の人」、になってしまい、他の案件の改憲議論の際にも「オオカミ少年」のように扱われることになるだろう。護憲派こそ、次の一手の説得力を確保するために、今回の改憲案に賛同しておくべきだ。

 憲法記念日に『現代ビジネス』に掲載していただいた拙稿でも論じたとおりだが、http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51626 現行の憲法9条の維持と自衛隊の合憲性の間に、矛盾はない。できれば、この機会に、言葉遊びに終止符を打つ理解を確立してもらいたい。が、もめるのであれば、それはいい。シンプルに自衛隊合憲明文化でいい。ただそこで「戦争放棄を放棄して、交戦権否認を否認すべきだ」、といったおかしな国際法否定の議論を持ち出すのだけは、勘弁してもらいたい。
 護憲派は、今こそ、自衛隊合憲の明文化は、9条の否定ではないことを強調していくべきだ。「自衛隊を合憲にすると、9条を否定することになる・・・」、といった自暴自棄な議論が流通しないことを祈る。

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