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野田首相がTPP参加表明を強行すれば「大火傷」は避けられない

 オヤオヤ、というところです。昨日、TPPへの参加を表明すると見られていた野田首相は、「一日ゆっくり考えさせて欲しい」と言って、今日に先延ばししました。

 民主党のプロジェクトチームから「慎重な判断」を求める提言が出されたからです。強行突破をさけて「冷却期間」を設けた方が良いと、興石幹事長や平野国対委員長が助言したといいます。

 野田首相も自信が持てなかったのかもしれません。ポーズだけでも「慎重」さを示しておいた方が得策だと考えたのでしょう。

 それに、今日は衆参の予算委員会で合計7時間もの集中審議があります。参加表明をして集中砲火を浴びるのを避けたということかもしれません。

 しかし、このような小手先の対応では、民主党内に生じた対立を収めることはできないでしょう。「日本もTPP交渉に参加して欲しい」というオバマ米大統領の要請を気軽に引き受けてしまったために、野田さんは進退窮まる苦境に立たされることになりました。

 そもそも、党内に反対が多いのに、参加を強行しようとしていることに無理があります。対立や紛糾が生ずるのは当たり前でしょう。

 その背後には、TPP参加に不安を抱く地方や農家の声があります。それを説得できるような材料も提供せず、安心させようという努力もせずに、一方的な態度表明によって参加を既成事実化しようとするやり方が、さらに大きな反発を生み出す結果になっています。

 何という拙劣さ。何という民意への鈍感さでしょうか。

 「どじょう」のように泥の中に潜っているばかりでは、この危局を打開することは不可能です。当初の見通しが甘かったと言うしかありません。

 よしんば参加表明を強行できたとしても、米議会の承認手続きには90日間要し、その前にも事前協議が必要で、その後交渉に参加しても日本にとって不利な条件や情報が明るみに出る可能性があり、交渉が妥結しても国会で批准されないかもしれません。TPPの発効までには越えなければならない数多くの峰が横わたっており、発効した後にはアメリカ流のルールに基づく日本改造、というより日本破壊が強行されることになるでしょう。

 「火中の栗」を拾おうとして手を出すのをためらっているのが、今の野田首相の姿です。おそらく、今夕にでも手を突っ込んで「栗」を拾うことになるでしょうが、これだけ火の手が強まっているわけですから、「大火傷」をすることは避けられません。

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