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【どうなるメキシコとの壁】

日本時間の午前3時前、ムニューシン米財務長官らが法人税減税などの税制改正を明らかにし、税制改革が動き出しました。一方、28日(金)の24:00までにいまの暫定予算 の次の予算を組めないと、翌29日から政府機能が一部シャットダウンします。

焦点は、メキシコとの国境沿いの壁の建設の費用を新予算に盛り込むかどうか。皮肉にも29日は就任100日の節目にあたり、トランプ大統領 は実績が少ないことから支持基盤の心が離れかねないとして、選挙戦の象徴でもある「壁」を再び持ち出していると伝えられています。

一方、壁は結局比喩だとしてトランプ大統領側の譲歩で予算がまとまりそうだとも。とりわけ英BBCが外国人にも分かりやすく解説しています。

New York TimesはThreat of Government Shutdown Fades as Trump Retreats on Wall (トランプが壁について後退するにつれて政府機関の一部閉鎖の脅威は薄れる)として、「25日現在、議会指導部は、トランプ大統領の公約のメキシコとの国境沿いの壁の建設の予算を盛り込まない一方で、国防や国境警備といったホワイトハウスの重点項目の予算は措置する方向で交渉中」と報じています。

壁の建設については「ホワイトハウスや議会上院の事務方は、幅広い国境警備の予算を意味する、しょせん比喩のようなものだという見方で一致しているようだ (seemed to agree that the wall had been reduced to something like a metaphor for broad-based border security funding)」として、実際には予算案に盛り込まれないだろうということです。

去年12月にいまの暫定予算を成立させ、トランプ政権発足後に本格予算を議論するはずでしたが、議会のゴタゴタで新予算も遅れ、28日の期限を迎えます。

いまの焦点はことし9月末までの「今年度予算」ですが、トランプ大統領は 10 月以降の「来年度予算」に壁の建設の予算措置を目指すこともできます。

もともとメキシコが壁の建設費を出すとトランプ大統領は主張し、メキシコは「あり得ぬ」と突っぱねたのですが、スパイサー報道官は記者会見でメキシコが支払うと強調しました。
Wall Street JournalもWith Border Wall Funding Shelved, Lawmakers Inch Toward a Deal (国境沿いの壁の建設費が棚上げされたことで、議員は合意に近づく)と伝えています。

今週末、政府機関がシャットダウンされないための次なる焦点は「低所得者の医療費を払い戻すための補助を盛り込むかどうか」だそうです。

BBCのUS government shutdown: How did we get here again? (米政府の機能停止:なぜまたこうなったんだっけ?)が分かりやすいです。

4月28日の24: 00 までにアメリカの上下両院が新予案を盛り込んだ法律を可決させた上で、トランプ大統領が署名しないと、政府機関は緊急以外の機能を停止する」と伝えています。

具体的な手続きとしては「上下両院の予算委員会で法案を作成し、共和党と民主党の指導部とホワイトハウスが修正する」ということで、与党共和党は議会上院で100 議席のうち52議席しかなく、必要な 60 議席を確保できないと解説。民主党の賛成が欠かせません。

これっていつか来た道では?とうことで、■当時の野党共和党がオバマケア(医療保険制度改革)の予算措置の削除を求めた2013年に 16日間、政府機能が停止したほか、■1978 年に18日間、さらにクリントン大統領のもとで1995 年と 1996年に行われたと紹介しています。

あれ、今回は法案通過の見通しが立っていたのでは?という疑問に対しては「その通り。しかし、最近になってホワイトハウスからメキシコとの国境沿いの壁の建設費用の一部を盛り込みたいという要望があり、障害が生じた。それもここにきて、だいぶ後退したが」と解説。

一方で、トランプ大統領はこうした報道にお得意のツイッターで反論し、壁の重要性を訴えました。

もともとはもっと遅い時期に壁の建設費用を予算案に盛り込む予定でしたが、ホワイトハウスが一部だけでも今回の予算に入れたいと言い出したということです。

「大統領はかねてメキシコが建設費用を負担すると主張してきたが、メキシコ政府があり得ないと言っているため、大統領は最近になって払い戻しをさせると言い張っている」ということです。

「壁の建設こそ支持者が求めてきたこと」だとして、就任100日を前に実績が出ない中で公約の壁を建設するぞ!として支持基盤を喜ばせたいのだと示唆しています。

で、どうなるの?

■時間稼ぎのため、一定期間、つなぎ予算を編成する←あり得る。

■ホワイトハウスが負けを認め、議会が美しい形で法案を通す←考えにくい。

■民主党が負けを認め、法案の成立に協力する←あり得ない。

今週、予算を何らかの形で通して政府機能が停止に追い込まれなかったとしても、来年度=2018年度予算が始まることし10月1 日に向けてシャットダウンをめぐる政治闘争が再び始まるという見通しを示しています。

トランプ大統領はすでに来年度の予算編成に向けた政府案の方針を示していますが、 5月末までにこの方針を反映させた"予算教書"を議会に示します。

でも、予算編成を担うのは議会ですからね。

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