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まだ安心できないフランス大統領選の行方

ほとんどのメディアのトーンはフランスの大統領選挙の決選投票は中道のマクロン氏が極右のルペン氏を大差をつけて破るだろう、という安堵感に浸ったものになっています。私も基本的にはその路線で正しいのだろうと思いますが、過去、英国のEU離脱にしてもトランプ大統領の当選にしても「想定外」だったのはほとんどの人があり得ない選択だと信じ切っていた心理的ギャップの大きさであったとも言えます。2度あることは3度ある、が起きるのでしょうか?

次の決選投票は5月7日。つまり、第1回目投票から2週間しかない点において、人々の考えが大きく変わるかという点においてはアメリカ大統領選の時のような長丁場の戦いとは違いますのでルペン氏にとっては不利であります。

但し、2つのいつ起きてもおかしくない可能性は頭に入れておいた方がよさそうです。一つはフランスでしばしば起きるテロ事件。もう一つは北朝鮮動向次第で、人々の心に大きな変化をもたらすことがないとは言えません。

まず、今回の選挙結果を見るとマクロン氏はフランスの西部で勝利したのに対して東部はルペン氏が圧倒しています。そこには経済的に十分なサポートが得られていない地域からのルペン氏への強力な支持という点においてトランプ氏が勝利した絵面と似た形が見て取れます。

また、高失業率を背景とした若年層が極左のメランション候補を圧倒的に支持した点においてはバーニーサンダース氏が若年層の強いサポートを得たときのやはり似た絵面となっています。

もう一つ、今回、第1回目の選挙で注目される点はそれまでのフランスの二大政党、社会党と共和党が敗れたという点でしょうか?マクロン氏はその中道左派と中道右派の中間に位置すると考えられるため、思想的にはバランスがとれたものになると思いますが歴史ある二大政党からどちらも候補者を出せなかった点においては揺れ動くフランスを見て取れます。

更に1点あげるなら有力4候補の得票率が当初想定通り横一直線に近い形になりました。マクロン氏23.9%、ルペン氏21.4%、フィヨン氏19.9%、メランション氏19.5%であり、人々の考えがばらつき、個人主義のフランスが見事に体現化されています。

ここで仮にマクロン氏が大統領になった場合の不安材料としては政治家としての手腕がまだ未知数の若手エリートにこのバラバラになった人々の価値観をどう束ねるかがその第一歩となります。次いでEUに関してはマクロン氏は最も保守的、つまり、団結を訴えている主導者であり、今後、英国との離脱交渉において激しくぶつかる公算があります。その場合、英仏関係に悪影響が出ないとも言えないかもしれません。

それ以上に議会での支配力がないマクロン氏が癖ある二大政党を相手にどう支配できるか、といえば正直、楽観視は出来ないでしょう。その点においてマクロン氏が大統領になればフランスはほとんど何も変われない状況となり、現任のオランド大統領と大差なくなることも視野に入れておく必要があります。

ちなみに孤軍奮闘のルペン候補ですが、あり得ないサポートとしてメランション氏支持層の協力を取り付けようという動きがあります。現状からの打破という点では極右と極左の協力体制という全く珍妙な切り口があり得ないとも言えないでしょう。

私はこれから2週間、まだ一波乱ぐらいはあると思っています。

では今日はこのぐらいで。

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