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イランの核開発とイスラエル

イランの核開発問題に関するIAEAの報告書が出て、日本の新聞等も内容について詳しく報道している様ですが、その趣旨はイランは核兵器開発を目指した一連の活動を行っており、現在でもその努力は続いていると言うことかと思います。

この1週間ほど、イスラエルではイランに対する軍事行動の可能性を示唆する報道が乱れ飛び、特にIAEAの報告書の内容如何では直ぐにも軍事行動をする可能性が強く、米国がイスラエルの単独行動を懸念しているとの方向の報道が多かったように思えます。

その意味では、今回の報告書はイランの核兵器開発の意図を示唆するものとして、イスラエルにとっては正しくcasus belliではなかったかと思われます(尤もイスラエル紙のネット版では、報告書ではsmoking gun はなかったとか、従来から知られているとこと違わないなどとするコメントもありました)。ところが、例えば9日付のhaaretz net の記事の言う通り、イスラエル政府は極めて静かで、ネタニアフは閣僚等に緘口令を敷いているとのことです。

これはもしかしたら、嵐の前の静けさという奴で、イスラエルの軍事行動の前に、敵に情報を与えることを防ぐための情報統制の可能性も皆無ではないと思います。しかし、イランに対する大規模攻撃ともなれば、イスラエルの多くの空軍基地で出動準備のために大変な活動があるはずで、スパイ衛星から見ている米、ロ等が探知する可能性が強いと思うのですが、そのような報道もありません。

考えてみれば、米国として、この時点で自らが軍事行動を起こすことは勿論、イスラエルの行動を黙認するとは到底思えません。現在のオバマ政権にとって最大の問題は、国内、国際の経済問題で、現在イランに軍事行動を起こせば、イランがテロ活動、イスラエルへのロケット攻撃などと合わせて、ホルムズ海峡の閉鎖を図るだろうことは、子供が考えても解ります。もしホルムズが閉鎖されれば、現在110ドル位(ブレント原油)?の石油が200でも300にも上ることはこれまた確実で、世界経済が深刻な不況に陥るであろうことも、これまたほぼ確実に予想できるでしょう。

このような状況でオバマがおいそれとネタニアフにイラン攻撃を許すはずはない、と言うのが常識的な見方だろうと思います(先日オバマとサルコジがネタニアフの嘘つきにはほとほと参ったと内緒話をしているのがすっぱ抜かれたが、この問題ではないことを願っています!)

と言うことは、イスラエルの一連の大騒ぎは、この報告書が出ることを見越して、安保理なり、欧米の単独なり、イランに対するさらなる強硬制裁を実施させるための、全世界を相手にした情報操作であったのでしょうか?それともイスラエル内の権力闘争がこのような形で表に出ただけのことなのでしょうか?その他のシナリオもあるとは思いますが、嵐の前の静けさと言うことだけは是非ともあってほしくないものです。

この数カ月間、中東をフォローしていると、朝起きると、あれあれと言う事件が起きているという経験をいくつかしてきましたが、今回だけはそのような「不意打ち」には会いたくありません。

http://www.jpost.com/
http://www.haaretz.com/print-edition/news/israel-keeps-mum-after-iaea-releases-damning-report-on-iran-1.394449
http://www.ynetnews.com/home/0,7340,L-3083,00.html

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