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登場から30年。今も活用される「GIF」アニメ動画

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当社では、広告出稿に使用するための「バナー画像」を制作する機会が多くあります。その中でも、昔から制作し続けているのがGIFアニメバナーです。複数枚の画像を交互に表示させることで、パラパラマンガのように、動画のように見せる表現手法です。

GIFアニメバナーの一例(参考出典:http://shuryoudan.seesaa.net/

通常は一枚絵であるバナー画像に、動きを付けることでリッチに見せるこの手法。特にブラウザ上に表示させる情報の中でも、目立たせてユーザーの目を惹くためには適した表現だけでなく、画像の容量が比較的小さいため、バナー制作時によく用いられる形式です。

このGIFは、JPEGと並んで昔からどのブラウザでも標準的にサポートされている歴史ある画像形式です。かつてIEとシェアを2分していたブラウザ「Netscape Navigator」で、私がインターネットを初めて体験したおよそ20年前にはすでにGIFアニメが存在し、今日に至るまで普通に使われ続けています。

GIFアニメの歴史

その歴史は1980年代までに遡り、1987年6月15日に公開されたGIF87aと1990年7月30日に公開されたGIF89aの2種類があります。後者であるGIF89aでは、透過GIFとGIFアニメーションがサポートされ、現在でも使われている規格です。

90年代当時、一般家庭でインターネットに接続するには、電話回線やISDNといったナローバンドによる環境が一般的でした。最大でも64kbpsという通信状況では現在のように動画どころか、大きめの画像を表示させるのにも大分時間がかかっていました。そのような中、容量が小さいままで動画的に画像を動かすことができるGIFアニメは、GIFフォーマットの利用はライセンスフリーだったこともあり、Webにおける標準フォーマットとして使われました。

しかし、1990年代後半から2000年代にかけて、Webアニメーションの主役はゆっくりとFLASHに取って代わられます。長尺でもファイルサイズが軽く、BGMなどの音声も扱うことができ、256色しか使うことのできないGIFと異なりフルカラーでの再現が可能など、様々なメリットがあったためです。当時、FLASHによる動画作品が多く公開され、「FLASH職人」という言葉も定着しました。

ですがGIFにとっての大きな転機がやってきます。それは、2008年に発売されたiPhoneによってもたらされました。爆発的に普及したiPhone(iOS)は、FLASHは独占的であり、標準的なWeb環境はよりオープンなものであるべきと、FLASHをサポートしない姿勢を貫きました。その結果、急速にFLASHの勢いは失いました。ブラウザ上での動的な表現は、HTML5やCSS・JavaScriptなどによって行われるようになり、また同時にモバイルを始めとしたネット環境の高速化に伴い、よりリッチな動的な表現としては動画に取って代わられました。

ただ、そんな中、原始的に手軽に動的な表現が可能なGIFは、様々な技術やファイル形式が使われるようになった今でも生き残り、現在でも活用されています。

現在でも使われるGIF

GIFの技術は多くのWebサービスでも活用されています。

2016年、TwitterはGIFアニメに対応。ツイートに手軽にGIFアニメを貼付できるボタンをアプリに実装し、自分のスマホ上に保存しているGIFアニメだけでなく、オンライン上で提供されている様々なGIFアニメを貼付することができる「GIF検索」を提供しています。

「そのとおり」「あらら」「イヤだ」「信じられない」など、つぶやきに便利そうな”感情”別にいろいろなGIFアニメが準備されています。

LINEも、2016年7月に、プロフィール画像や送信画像にGIFアニメーションによる画像をサポートするようになりました。それまでもアニメーションGIF形式のファイルの送受信は可能でしたが、送信時に静止画として送られていたため、表示時も静止した画像になり、アニメーションが除外されたものとして表示されていました。

こうしたGIFアニメーションは、10代の若い世代でも、友人とのコミュニケーションの中でLINEのスタンプのように気軽に活用されており、GIFアニメーションは逆に「動きがかわいい新ツール」という感覚で活用される機会がより増えているようです。

また、SNS投稿記事においては、写真などの静止画像の一部だけをアニメーションで動かすという手法「シネマグラフ」が世界的にも流行しています。

おしゃれな写真の一部に、無限に続くループを加えることで、不思議な感覚にさせることができます。

そしてGIFアニメーションは動画作品の一ジャンルとしても注目されています。GIF動画の投稿・共有サービス「GIFMAGAZINE」は、いわば“GIF動画のYouTubeやInstagram”というイメージのサービスです。

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GIFMAGAZINE http://gifmagazine.net/

一般ユーザーのほかに、映像作家やアニメーター・イラストレーターなどといった、様々なクリエイターが毎月約5万作品ものGIF動画を投稿しています。月間のコンテンツビューは約1.6億回にも達するのだとか。

「報道ステーション」のオープニングが印象的な、奥下和彦氏の作品 via GIFMAGAZINE

固定ファンが多く、インフルエンサーと成りうる作家は、公式クリエイターに認定され、オリジナル作品の発表だけでなく、企業などのGIFアニメ制作も受託制作として請け負うのだとか。「YouTuber」ならぬ「GIFer」(ジファー??)のような、GIFアニメ制作で収益を得る人も出てくるのかもしれません。

GIF動画が今日も活用される理由

最大の理由はやはり、再生環境を選ばないという点でしょう。再生や表示に、特別なプラグインやソフトウェアのインストールが不要で、どのようなデバイスでも再現が可能である標準フォーマットであることは大きな強みです。

また、GIF動画は、長尺になるとファイルサイズが大きくなってしまうことから、昔から短尺でループさせるものが多かったのですが、この標準的な仕様が現在のWeb視聴傾向に合っていたともいえるでしょう。短文によるコミュニケーションが中心となるSNSの中で、手軽に挟め込み、視聴する際にもストレスにならない程度の手軽なGIF動画は、ちょうど良いボリュームなのです。

視聴のストレスという点では、再生するために再生ボタンを押す必要がなく、表示と共に再生をしているところも活用される理由の一つではないでしょうか。最近ではFacebookでも動画が表示されると同時に再生される仕様になっていますが、GIF動画の仕様にならった結果でしょう。

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一時は枯れた技術とも言われた「GIF」。しかし、FLASHの衰退・スマホによるSNS文化の普及などといった、”運の良さ”(?)も手伝いながら、時代の流れの中で生き残り、登場してから30年が経った今でも活用され続けています。恐らく今後もこの流れは続いていくのではないでしょうか。

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