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フランス大統領選、勝者は銀行か

―WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 フランスの銀行は自分たちの顧客(有権者)のせいで傷ついている。投資家は、彼らフランス有権者が今週末23日の大統領選挙の第1回投票で「極端な政治的選択」をするのではないかと心配してフランス銀行株を売り込んできたからだ。

 だが、それ以上に公算が大きいのは、第1回投票という選挙レースで残り、第2回投票(5月7日の決選投票)に進む上位候補者2人のうち、少なくとも1人は、第1回投票の結果が判明する週明け24日朝にはもっと「主流」になる(つまり、最終勝利が有望になる)ように思われることだ。そうなれば銀行株は反発するだろう。

 極端な政治的選択というのは、第1回投票で極右のマリーヌ・ルペン氏と極左のジャンリュック・メランション氏が1位と2位を占めることだ。2人は、フランス経済をつぶすか、あるいは欧州連合(EU)にひびを入れかねない候補者だ。この極端な候補者2人がいずれも第2回投票に進めば、投資家は素早く安全な場所に逃げるだろう。しかし、2人のうち1人(それはルペン氏になる公算大)しか第2回投票に進まない限り、市場では(極端な政治的選択は回避できたとして)安堵ムードが鮮明になるはずだ。

 BNPパリバやソシエテ・ジェネラルといったフランス銀行大手株は2月以降、乱高下に耐えてきた。伝統的保守派のフランソワ・フィヨン候補がネポティズム(縁故主義)スキャンダルによって失速し、ルペン候補が有利になるかにみえたためだった。

 ルペン候補の反ユーロ発言が際立った結果、これらフランス銀行株が急落、フランス国債利回りは上昇した。その後、中道派で前経済相のエマニュエル・マクロン氏が(フィヨン氏に代わり得る)良い候補者として台頭したため、銀行株は値を若干戻した。だが、最近の世論調査でメランション候補の支持率が上昇すると、再び軟化した。

 メランション氏とルペン氏という極左と極右の候補者は、富裕層に対する超高率の税率(メランション氏が主張)、あるいはフランスのユーロ離脱(ルペン氏が主張)といった極端な政策で市場を脅かしているだけではない。両候補とも、フランスの銀行が支店や人員の削減によって効率化するのを難しくする公算も大きい。

 国際的な投資家が欧州の銀行を警戒しているのは、この大統領選に大きな政治的リスクがはらんでいるからだ。それはフランスが欧州連合(EU)崩壊の原因になるというリスクだ。多くの国際投資家が安心して市場に戻ってくるのは、第2回投票が終了して最終結果が判明する翌5月8日以降だろう。

 一方、欧州の投資家はどうかといえば、フランスの銀行に慎重になって避けており、スペインなどの国や地域の最も健全な銀行を過剰に選好している可能性がある。金利が上昇途上にあるとの期待があるからだ。これらの銀行は変動金利型住宅ローンなどを販売しており、こうした銀行は、基準としている短期金利が上昇すれば、フランスあるいはドイツのライバル銀行(おおむね固定金利型ローンを行っている)よりも、多くの収入をより素早く得られる。

 しかし、欧州投資家の希望(スペインの健全銀行などへの期待)と、国際投資家の不安感(EU崩壊への恐怖)は、恐らくいずれも行き過ぎだ。フランスが極右と極左、つまりルペン氏とメランション氏の一騎打ちにならない限り、BNPパリバなどフランスの銀行と、バンコ・サンタンデールのようなスペインの銀行とのバリュエーションギャップ(株価評価の差)は、再び急速に縮まり始めるはずだ。

By Paul J. Davies

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