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今そこにある「北朝鮮クライシス」

■軍事的「失われた20年」

 先日(4月15日)の北朝鮮発の有事危機は、マスメディア内で箝口令が敷かれているのではないか?と思えるほどに、ほとんど無視されていたが、その後は、さすがに無視できなくなってきたのか、有事を想定した話もちらほらと出てきつつあるようだ。
 政府も、北朝鮮から弾道ミサイルが飛んで来た場合の対処法を政府ホームページに掲載するに至っており、徐々に緊迫した空気が漂いつつある。

 北朝鮮が最初の核実験を行ったのが2006年のことであり、ミサイル発射実験に至ってはその10年以上も前から行われてきた(1993年に日本海にノドンを発射)。
 そう考えると、もう20年以上も前から脅威は存在しており、この20数年間は日本にとって、経済だけでなく、軍事に関してもまた「失われた20年」だったわけだ。この、今そこにある危機(北朝鮮クライシス)に対して、警告を発していた識者は大勢いたが、何ら具体的な策を講じてこなかったツケが一気に顕在化しつつある。

■「憲法9条」の平和的効能は日本にしか効かない

 「憲法9条があれば戦争にはならない」という呪文を信じ、軍事防衛力(戦争抑止力)を否定し続けてきた人々の罪は重く深い。肌で感じられる開戦危機を生まれて初めて経験し、ようやくそのことに気が付きはじめたのかもしれないが、今回の「北朝鮮クライシス」で日本が戦渦に巻き込まれ、多くの死傷者が出た場合、彼らはそれでも「憲法9条があれば戦争にはならない」と言うのだろうか?

 そもそも、憲法というものは、自国の国家権力を縛るためのものであり、自国が戦争を始めることを抑止するためのものであって、他国のそれには何の関係もない。日本が戦争を起こさないようにするために用意されたものが現在の日本国憲法であり、「憲法9条があれば戦争にはならない」のではなく、「憲法9条があれば(日本からの)戦争にはならない」というのが正しい認識だ。憲法9条を北朝鮮に輸出し、金正恩がその憲法を正式に採用でもしない限り、北朝鮮が戦争を起こすことを止めることはできない。

 憲法に縛られ戦争を起こすことのできない日本で反戦デモなどを行っている暇があるのなら、北朝鮮に行って命懸けでデモを行うべきだ。それができてこその平和主義者だと言えるが、そんな人は誰一人としていない。

 アメリカと北朝鮮がチキンゲームを展開できるのは、両国ともに核兵器(戦争抑止力)を保有しているからであり、日本の場合は、事実上、チキンゲームを行う権利すら有していない。
 ピストルを持った強盗にネゴシエーションできるのは同じく武器を持った人間だけであり、相手に恐怖感を与えることができない限り、対話にはならず交渉の席に着くことも叶わないため、チキンハートで怯えるしかない。

 原罪を背負わされ、武器を放棄し、「悪さをしてはいけない」ということが書かれた「お守り」を持っているだけでは、強盗を縄で縛ることはできない。
 こんな子供でも解るようなことが解らないまま放置され、平和ぼけの太平の世を微睡みの中で過ごしてきたのが日本という国であるということを知るべき時期が来たのかもしれない。
 願わくば、被害が出ずに平和裏に解決されんことを…。

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