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【衆院法務委】「共謀罪法案は真のテロ対策にならない」枝野議員

 衆院法務委員会で21日、共謀罪法案(組織犯罪処罰法改正案)に関する質疑が行われ、枝野幸男議員が民進党の2番手として質問した。

 冒頭で枝野議員は19日の委員会同様、質問者側が要求もしていない政府参考人の出席を委員長が職権で決め、委員会冒頭で強行採決する中で質疑がスタートしたことに抗議。「2回も続けて強引なことをやった。本来これは金田大臣が怒らなければいけない。つまり、政府参考人制度ができて以降の歴代大臣のなかであなたが一番能力がないと、与党はそう判断しているということ」だと問題視した。

 またTOC条約に関して、民進党は締結すべきという立場を一貫して主張しており、また、共謀罪法案を成立させなくても現行法のままでも締結することができると考えている旨を語った。「(条約締結の条件を定めた)原文等に戻って経緯を調べて、こんな法律をつくらなくても入れるということがはっきりしたので、こんな委縮効果の大きい法律はつくるべきではない」と主張した。そのうえで林法務省刑事局長に対して、TOC条約で組織的犯罪集団の定義について「金銭的利益その他の物質的利益を直接または間接に得るため」という目的に限定されていることの意味を確認したところ、「非常に広い概念で、除外される内容は純粋に精神的な利益のみを求めるのが目的の集団。こういった集団で組織犯罪が行われることは想定しがたいと考え、国内法上に落とすときにこの文言は使わなかった」などと述べた。枝野議員は「どこの文言からそれは読めるのか」と疑問視し、根拠をただした。外務省大臣審議官は「UNODC(国連薬物犯罪事務所)が出している立法ガイドなどでも、この部分については純粋に政治的または社会的な目的をもつ集団を除外する一方、物質的利益という文言は財政的・金銭的または同等の利益に限定せず、できる限り広く解釈するというのが共通理解になっている」と答弁した。「いい答弁をもらった」と枝野議員は語り、「まさに立法ガイドには共謀罪はいらないと書いてあるということだ」と指摘した。

 枝野議員は共謀罪法案6条の2の「結合関係の基礎としての共同の目的」についても質問。「結合体の構成員が共通して有し、その達成または保持のために構成員が結合している目的」とする刑事局長の答弁を受けて、枝野議員はオウム真理教による地下鉄サリン事件を例に挙げ、「オウム真理教の信者のなかで具体的にサリンを使って人を殺傷しようというところまではみんなは知らない。教義のためには人を殺傷しても仕方ないという思いを共通していたとは思えない。ごく一部の中枢メンバーだけなので、結合の目的ではないはずだ」と指摘。これには刑事局長は「結合の目的を認識していないものについては組織的犯罪集団の構成員ということにはならない」と答弁した。

 枝野議員は「オウム真理教の場合、地下鉄サリン事件などで警察が動き出しメディアが動き出すまでは相当の数の信者がいた。そのなかで人を殺してもいいという考えの人は半分より少なかったはずだ。そしてオウム真理教という集団は組織的犯罪集団にはならなくて、そのなかの麻原彰晃の命の下にいざとなったら人も殺してもいいという人だけをピックアップするならば、(罰することができる)余地はあるかもしれないがこの条文では無理。オウム真理教全体では人を殺してでも教義を実現するということを思っていた人などは半分以下ではないか」と述べ、今回の共謀罪法案では地下鉄サリン事件を起こすまでに至ったオウム真理教を罰せないことが質疑から浮き彫りになった。

質問に立つ枝野幸男議員

民進党広報局

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