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<籠池氏VS安倍夫妻>昭恵夫人を隠して籠池氏を嘘つきにする不公平

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両角敏明[テレビディレクター/プロデューサー]

***

最近、生ワイド番組から森友学園問題が消えています。

おそらく会計検査院は法的な瑕疵はないという結論でしょうし、大阪地検も籠池理事長のいくつかの事犯を有罪にして「店じまい」でしょう。

結局のところ、安倍晋三氏の愛国教育思想に強く共鳴し、その尖兵として愛国小学校づくりになりふり構わず突進したドン・キホーテは、彼をもてはやした「右より人」から手のひら返しでうち捨てられ、「ナニワに変わったオッサンがいたなぁ」という記憶だけを残してフェイドアウトして行くのでしょう。

まさに籠池トカゲ一匹だけが尻尾を切り落とされる不公平な物語。森友学園問題とは違法とか不法とかいうよりも「不公平」という問題だと思います。

 小学校設立認可と国有地払い下げに森友学園に対する尋常ならざる不公平な配慮があったのでは、という疑いが問題の発端です。

その事実解明の過程でお役所は、関係文書は存在しないと主張しました。ならば関係した職員等を調査しろという要求に、お役所は違法性がないから必要ないと拒否しています。

事実解明に必要かどうかを判断するのがお役人とは思いませんでした。しかし、一方の当事者である籠池理事長は証人喚問されたのですから、お役人が調査されないのは不公平です。

 不公平と言えば、戦中、おエライさんの子弟には徴兵を免除される者がいたと言います。森友学園問題における安倍政権の「昭恵夫人隠し」は不公平な扱いという意味で、徴兵逃れと同様の不快感が消えません。

 まず寄付金100万円の件です。

当事者である籠池理事長は証人喚問で100万円を昭恵夫人から直接受け取ったと証言しました。一方で昭恵夫人は、お金は渡していないとフェイスブックに書いただけです。これ以外の昭恵夫人および秘書2名の証言はすべて伝聞です。

【参考】<公人の妻は「公人」>安倍昭恵総理夫人にプライバシーはない(http://mediagong.jp/?p=22515)

安倍総理が昭恵夫人の主張を代弁し、首相たる者が国会で明言しているのだから信用せよということのようです。しかし総理の発言だから正しくて、籠池氏の発言だから嘘だということはありません。そんな整理で物事が進められるのは不公平です。

この件について国会で安倍総理がちょっと面白い答弁をしています。

 「たった2人きりで渡した、渡さないとなればですね、こちらは、渡していないと言うことについては証明のしょうがないというのは常識、いわば悪魔の証明と言われているわけです。」

安倍総理は籠池氏と昭恵夫人が2人きりになったとお認めになっているかの答弁ですが、昭恵夫人の主張は、夫人付きの秘書2名が常に同席していたので籠池氏と2人きりになったことはない、というものです。

総理の言う「悪魔の証明」という場面ではありませんから、証明のしようがあるのと考えるのが常識です。言い分が対立したら、関係者の話を公平に聞くという日本人なら誰でも考える常識どおりにすれば良いのです。

今回の場合は、籠池氏を国会に呼びつけて懲罰を伴う場で直接言い分を聞きました。ならばもう一方の当事者である昭恵夫人および夫人付き2名からも、第三者が質問できる場で伝聞でない話を聞くのが最低限の公平な対応です。公務員が公開の場で嘘をつくのは身が破滅しかねない高いハードルですから、事実を語る確率が高いはずです。

籠池VS安倍。いまのところどちらの言い分が正しいのかは五分五分なのですから、両者の言い分を公平に聞くことは誰が考えても「いろはのい」です。政府自民党が昭恵婦人や夫人付きを隠し、白黒をつけないまま放置し、籠池氏が嘘をついたかの印象操作で事を終わらせようとするのは大変に不公平です。

すでに何度も書きましたが、谷査恵子さんFAXの件も同様です。

籠池氏が昭恵夫人に留守電を残しました。それを昭恵夫人が無視したのか、あるいは夫人付きの谷査恵子氏に対し籠池氏に連絡するように指示したのか、という話です。政府自民党は、留守電とは別に籠池氏から谷氏に直接手紙で依頼があり、これに谷氏が回答したのがこのFAXで、留守電を無視した昭恵夫人はまったく関係していないとしています。

これについての国会答弁は実に奇妙です。

 土生内閣審議官「FAXは、職務以外[註]の行為と致しまして、国民からの紹介にていねいに対応したものでございますので職務外のことでございます。」[註総理の活動を補助する(昭恵夫人の)活動を支援する(立場である谷氏の)職務の範囲外である。

 菅官房長官​「谷氏が個人的に出したFAXを個人的に保管していたもので行政文書ではない」

 という主張です。ということは、

 「経産省から内閣府に出向中で昭恵夫人付きの公務員・谷査恵子さんは、職務時間中に受けたある国民からの谷氏個人への紹介に対し、わざわざ財務省や国交省に問い合わせ、その結果を自らFAX文にまとめ、なぜかこの件と無関係の昭恵夫人に報告した上で、個人的に返信するという作業を職務外の行為としてやり、このFAX文を個人的に保管するというていねいな対応をした。個人的な対応なので文書を残すようなものではないがFAX文だけは残していた。」

というのが政府の説明ということになります。

故立川談志師匠なら、保身のためにここまで屁理屈をこねくり回す役人さんたちを憐れみ、これこそ業の肯定と、バカバカしくも哀しい落語のネタにしたかもしれません。

 留守電とFAXの間に昭恵夫人の関与はないという説明のために、奇跡のような無理筋を通そうとするこの話ですが、にもかかわらず昭恵夫人はフェイスブックでの説明に、留守電を聞いたあと谷氏へ指示をしなかったとはひとことも書いていないのです。

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