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ギャンブル依存者支援団体の実態は玉石混合

ギャンブル依存症問題を考える会の田中さんが、またゴニョゴニョと新しい組織を作られたようで、日経新聞にその内容が報じられています。


ギャンブル依存、支援団体が協議会 家族の負担減めざす
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG19HAB_Q7A420C1CR0000/

国内のカジノ解禁に向けた法整備の検討が続く中、患者や家族の支援に取り組む各地の団体が20日までに「ギャンブル依存症支援団体連携協議会」を設立した。家族らの精神的・経済的負担の軽減などが目的。事務局を務める「ギャンブル依存症問題を考える会」の田中紀子代表は「依存症対策がカジノ建設の言い訳になってはならない。抜本的な対策強化を連携して訴えたい」としている。[…]

田中代表は、政府が取り組んでいる相談窓口や拠点病院の整備だけでは不十分と指摘。「依存症の予防やギャンブルの規制、回復施設の整備などが必要で、対策費をギャンブル業界に負担させることも考えるべきだ」と話した。
 

なにやら色々と書いてありますが、現在政府で勢威進められているギャンブル依存対策案の中身が気に入らず「もっと我々民間に財源をよこせ、そしてその財源はギャンブル等業界に負担させろ」という団体であります。

…と、ちょっと意地悪な要約の仕方をしましたが、私的には依存者支援には民間の支援団体の存在は不可欠だと思って居ますし、その財源を我々カジノを含むギャンブル等業界が負担することも当たり前であり、彼らの主張に関しては何も違和感はありません。一方で、この新しく出来た会の組成ですが、その加盟団体を見るとどうも釈然としない名前も載っているようでして。。


参加8団体は以下の通りです。(あいうえお順)
(一社)大崎大地                  代表 大崎 大地(東京)
(一社)グレイスロード               代表 佐々木 広(山梨)
(一社)セルフリカバリー              代表 猪本 光寛(石川)
(NPO)ちゅーりっぷ会長崎ダルク グラフながさき 代表 中川 賀雅(長崎)
(NPO)ヌジュミ                 代表 田上 啓子(神奈川)
(NPO)ホープヒル                代表 町田 政明(神奈川)
(一社)ライフトレーニング             代表 出蔵 洸一(福井)
≪事務局≫(一社)ギャンブル依存症問題を考える会 代表 田中 紀子(東京) 
(出所: http://officerico.co.jp/blog/?p=6424
 

私の知らない団体も沢山ありますが、その多くはこれまで依存者支援を中心に活動してきた実績のある団体であるようにお見受けをしているわけですが、その一方で例えばそのリストの中に「一般社団法人大崎大地」なぞという名前を見つけてしまうとゲンナリしてしまうわけです。

この個人名を法人の名として冠した珍妙な一般社団法人ですが、その前身となるのはJAGOという団体で、私も非常に良く存じ上げている団体であります。以下、一般社団法人大崎大地のwebサイトへのリンクですが、URLは以前のJAGOの名称で活動していたときのままになっているようですね。

一般社団法人大崎大地
http://www.jago.jp/

このJAGO、正式名称をJapan Anti Gamble Association(日本反ギャンブル協会)としておりまして、その名のとおり我が国におけるギャンブルの存在そのものに「反対」をする団体であります。当時の組織代表も現在と同じ大崎大地氏であり、その顧問には「パチンコの違法化・大幅課税を求める議員と国民の会」の代表世話人として知られる小坂英二氏(荒川区議会議員)が就任しておりました(参照)。彼らの活動は、我々ギャンブル等業界の中では非常に有名でありまして、例えば彼らが最もその運動を活発化していた2013年に行われた「パチンコ廃絶!カジノ法粉砕!デモ」と名付けられたデモを見れば、それがどういう性質の運動であったのかというのは一目瞭然。「パチンコ廃絶!カジノ法粉砕!」を謳っているのにも関わらず、最も目に付くのは何故か日の丸と旭日旗という不思議なデモであります(笑 




大崎大地氏はJAGO時代からカウンセリングと称していわゆる依存者に対する支援活動のようなサービスも行っていたのは事実ではあるのですが、基本的に彼らの活動というのはJAGO: Japan Anti Gamble Associationの名称が示すとおり、限りなく「政治運動より」の支援であったのが実態であります。

ここで断っておきたいのですが、私自身は上記のような政治思想をお持ちの方々とは相容れないものの、彼らが法に則って活動をすること自体に問題あるとは全く思っておりません。現に当時、この運動の中核として動き、JAGOの顧問でもあった小坂英二荒川区議とは、色々対話もしていたくらいであります。以下、過去のエントリを参照。


小坂荒川区議とのやりとり - カジノ合法化に関する100の質問
http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/3454146.html
 

ただ、ここにきて私として非常に違和感が否めないのは、かつてこのような政治運動を展開していたJAGOが「一般社団法人大崎大地」なる珍妙なる法人名に衣替えをして、依存者支援団体の輪の中に入って「回復施設の整備などが必要で、対策費をギャンブル業界に負担させることも考えるべき」などと主張をしていることです。

貴方達、数年前まで「パチンコ廃絶、カジノ粉砕!」なんてシュプレヒコールを挙げていたではないですか。そこから数年経って、我が国でカジノ導入の推進が決定し、依存対策に予算が付きそうな状況が見えた途端、今度は「民間にも金よこせ、ギャンブル業界はそれを負担しろ」ですか? それは流石に変なビジネスモデルになっては居ませんか?という話です。

これまでギャンブル依存対策に関する公的施策が殆どなかった我が国において、長らく依存者支援の中心的役割を担ってきたのは民間であるという事は紛れもない事実です。そして、そのような団体や施設の支援が今後も必要なのは事実ではあるのですが、今、何となくお金が出そうな状況になって「もっとコッチに金よこせ」と口を開け騒いでいる人達の中には、色んな「出自」の方々がいらっしゃるということ。そして、正直申し上げるとかなり玉石混合になっていますよ、ということであります。

我々、ギャンブル等業界がその対策費用を積む事には異論はないとしても、それをどのような基準で誰に助成するのかはやはりいずれかの主体がコントロールをしなけばなりませんし、また助成を行った先の業績評価の仕組みづくりも不可欠。そういう意味では、今政府が検討しているようにまず厚労省側で一端対策予算を集積し、官が一定の基準をもってそれを管理をしながら助成を行うという仕組みを個人的には支持せざるを得ないところであります。

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