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くら寿司“無添”裁判で敗訴 「書き込みには公益性がある」 - 「週刊文春」編集部

 回転ずしチェーン「無添くら寿司」を運営する東証一部上場の「くらコーポレーション」が、ネットで批判的な書き込みをした人物の個人情報の開示を求めた訴訟で、東京地裁が請求を棄却した。ITジャーナリストが解説する。

「事の起こりは昨年3月。ヤフーの株式掲示板内の同社スレッドで、匿名の人物が、《何が無添なのか書かれていない》《イカサマくさい》などと書き込みをしました。すると同社のIR担当者が『名誉毀損で法的措置を取る』と反論を書き込んだのです」

 くら社はヤフーに発信者情報の開示を求める仮処分を申請。結果、発信者がプロバイダー「ソネット」の利用者と判明し、氏名・住所の開示を求めてソネットを提訴した。

「くら社は『信用を低下させる違法な書き込みだ』と主張。ソネットは『意見・論評であり合法だ』と、開示を拒否していました。結局、4月12日の判決で宮坂昌利裁判長は『書き込みはくら社の社会的評価を低下させるものではなく、仮に低下させるとしても書き込みには公益性があるため違法性はない』としました」(司法担当記者)

 さらに判決は「くら社は、独自に定めた『四大添加物(=化学調味料、人工甘味料、合成着色料、人工保存料)』の不使用を表示しているだけで、他の添加物については述べておらず、書き込みは重要な部分で真実である。仮に被害が生じたと仮定した場合でも、上述の理由で違法性は阻却される」と断じた。

「『無添』はくら社の登録商標で、『四大添加物』も独自の概念。敗訴を受け、ネットでは『無添加だと思い込まされていた』『言論弾圧的な提訴は印象が悪い』などの声が噴出しました」(同前)


くら寿司が導入した寿司キャップ「鮮度くん」

 くら社は14日に見解を公表。判決を伝える記事について《匿名で根拠のない無責任な書き込みにも(公益性が)該当しているとはにわかに信じがたい》と反論。業界初の「時間制限管理システム」や寿司キャップ「鮮度くん」を導入するなど、《戦前の安心安全で素材そのものの味を生かした食を取り戻そうと日々努力しております》とした。

「ネットの声に苛立つ気持ちは分かりますが、書き込みに目くじらを立てて提訴に踏み切ったのは悪手でした」(前出・ITジャーナリスト)

 消費者の心を握り損ねたか。

(「週刊文春」編集部)

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