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【IMF対トランプ政権】

この時期はワシントンで一連の国際金融会議が開かれるころ。ことしは4月20日からG20財務相・中央銀行総裁会議が開かれたあと21日から23日までIMF =国際通貨基金と世界銀行の春の会合が開かれます。 例年は世界経済をめぐる議論に関心が集まりますが、ことしは何と言っても通商!
口火を切ったのはIMFのラガルド専務理事。米トランプ政権の名指しこそ避けましたが、 sword of protectionism(保護主義の刀)という強い言葉を使って、保護主義が世界経済を押し下げかねないと主張しました。
ロス商務長官がFT のインタビューを使ってすぐに反論。これに対して、そのFTのコラムニストのマーチン・ウルフ氏がさらに反論
実際に会合に出席するムニューシン財務長官も FT のインタビューに応じていしますが、当面、何かと通商が話題になりそうです。

New York Timesによりますと、IMF は18日、春の会合に先立って世界経済見通しを発表し、大統領選挙後のアメリカ経済の持ち直しや主要な新興国の成長見通しの改善、さらに世界貿易の活発化を理由に見通しを引き上げました
先進国で見ると、 2016年の3.1 の伸びに対して、 2017年は3.5 に引き上げました。
記者会見したIMFのMaurice Obstfeldチーフエコノミストは「世界経済に対する顕著な脅威のひとつは、貿易戦争に発展するような保護主義だ (One salient threat is trade protectionism, leading to trade warfare) 」と述べました。
先だって12日、ラガルド専務理事は、「リスクはグローバルな貿易に対する保護主義の刀である」と発言。トランプ大統領の名前、あるいはアメリカ第一主義を指摘こそしなかったものの、標的は明らかだったことを記事は示唆しています。

FTのIMF warnings of US protectionism "rubbish," says Ross (IMFによる米保護主義の警告は「ばかげている」とロス商務官)は、IMF と世銀の春の会合を前にアメリカのロス商務長官がインタビューに応じ、トランプ政権を保護主義的だと指摘する声は的外れだと言ったと伝えています。
具体的には「主要国の中でアメリカはもっとも保護主義的でない。ヨーロッパよりも保護主義的でない。日本よりも保護主義的でない。中国よりもはるかに保護主義的でない」と述べました。
続けて「この 3 つの地域に対してアメリカは貿易赤字を抱えている。彼らは自由貿易を主張するが、実際には保護貿易を実践している。われわれがささいなことでも自己防衛しようものなら彼らは保護主義だと呼ぶ。それは、ばかげている(it’s rubbish 」と発言しました。
そのロス商務長官、今週、日本を訪れて世耕経済産業大臣と会談したあと「どういった形になるかを具体的に言うには、まだちょっと早いが、日本との通商関係を強化する意欲はある。それも協定の形を望む(It’s a little bit early to say just what forms things will take, but we are certainly eager to increase our trade relationships with Japan, and to do so in the form of an agreement) と述べたとReutersは伝えています。
ロス商務長官に正面から反論したのは、FTのコラムニストのマーチン・ウルフ氏。 
Dealing with America’s trade follies(通商を理解しないアメリカの人たちとの付き合い方)の中で、「アメリカの政策当局者がわけの分からないことを言い出したら、貿易相手国はどう対応したらよいのか?ヨーロッパ、日本、さらに韓国はいまこの疑問に直面している」と伝えています。
ロス商務長官について「経済を分かっていなくても億万長者になれる」とけちょんけちょん。
貿易赤字の過多は、その国が開かれているかどうかの証ではない」と指摘した上で、「各国はどうアメリカの要求に臨めばよいのか?」と自問します。
「各国は、マクロ経済には不均衡があることを受け入れるべきだ。世界経済に打撃を与えないような形で通商を増やすための譲歩をするべきだ。多国間の自由貿易の重要性を訴えるべきだ。強い者も弱い者も守る通商の原則を守るためにありとあらゆる手を打つべきだ。そして何よりも忍耐強く待つべきだ。いつまでも理解のない人々がアメリカを統治するわけではない」と結んでいます。気長に待て、ということのようです。

FTは今週、ムニューシン財務長官のインタビューもしています。先月、ドイツのバーデンバーデンで開かれた G20財務相・中央銀行総裁会議が国際舞台へのデビューとなり、「あらゆる形の保護主義に対抗する」というこれまでの文言を共同声明から削除させたとしてニュースになりました。
今回のインタビューでは、トランプ政権が為替や通商をめぐる戦争に突入しようとしているという不安の払拭に努めたと FT は総括
トランプ大統領は、繰り返し中国が為替操作国だと批判しましたが、ムニューシン財務長官は「為替操作だと主張するには、アメリカに何らか不利益がないといけない。アメリカに利益になるような形で為替を操作するならそれは為替操作国でない」と述べたほか、トランプ大統領がドル高をけん制する発言をしたのは、ドル安方向に誘導するためでは「決してない」と発言
一方でムニューシン財務長官 IMFが為替の振れに対してもっと対応するよう要求することも忘れませんでした。

【G20声明の衝撃】
http://blog.livedoor.jp/kaoriiida/archives/70046259.html

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