記事

爆弾とミサイルと人間と

[画像をブログで見る]

 アメリカ軍はアフガニスタンでIS(イスラム国)の拠点に「最大の通常爆弾」を投下したということだ。略称MOABが語呂合わせで「すべての爆弾の母」(Mother of all Bombs)になるが、火薬量8トンというから尋常ではない。戦時中のアメリカ軍の空襲では、250キロつまり8分の1トン爆弾の跡というのを見たが、木造の二階家が丸ごと吹っ飛んで、大きな穴が残っていた。それが64発、束になって落ちたらたまらない。相手がISなら、何をしてもいいのだろうか。

 これは北朝鮮へのメッセージだという解説も出ていた。核やミサイルの開発をやめないことへの懲罰として、核を使わなくても強力な攻撃ができるという警告ということだ。その北朝鮮は、「国父」と仰ぐ金日成の生誕を記念する最大の祝日が4月15日だそうで、その日に向けてミサイルらしいものを発射したが、ろくに飛ばずに爆発したと伝えられる。世界に知れたニュースだが、祝賀ムードの平壌市民は知らずにいるとのことだ。

 北朝鮮は、外部からの圧力がかかるたびに「無慈悲な反撃で壊滅を与える」といった過激な言葉で反発することが多い。今回も米韓合同での「朝鮮有事」の際の共同作戦演習などに反応しているのだろう。総じてアメリカ側からの圧力は、具体的な戦力を動かして見せる迫力があり、それに対して北朝鮮側の反撃は、過激な言葉とミサイルに頼っているように見える。

 国力から見たら、アメリカと北朝鮮では喧嘩にならない。ミサイルの開発にしても、技術力には格段の差があることだろう。それでも抵抗する道具があると見せないと、つぶされると思っているのだ。北朝鮮のつらさが透けて見える。つまりは爆弾とミサイルに頼って安心を得ようとしても無理なのだ。民生を犠牲にして「先軍」でやってみても高が知れている。それは北朝鮮ばかりでなく、アメリカにしても同じことだ。相手のある競争では、休んでいることが出来ないからだ。

 でも競争では一方が休むと相手方も楽になる。負けても殺されない安心感さえあれば、人間は休んでいることができるのだ。生存競争の切迫感から解放してやりさえすれば、疲れた人間は、喜んで競争をやめるだろう。世界はもう充分に疲れているのではないか。

あわせて読みたい

「北朝鮮」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    加計と今治市の補助金巡る泥仕合

    田中龍作

  2. 2

    日大の加害者を賞賛する声に疑問

    赤木智弘

  3. 3

    加計学園の「嘘」は極めて不自然

    大串博志

  4. 4

    安倍政権支持はマスコミにも責任

    小林よしのり

  5. 5

    内田樹氏「安倍政権は戦後最悪」

    『月刊日本』編集部

  6. 6

    日大 80億円守るため否定発言?

    PRESIDENT Online

  7. 7

    新潟少女殺害 容疑者家族に疑問

    女性自身

  8. 8

    なぜ国民は安倍内閣支持するのか

    田原総一朗

  9. 9

    夫の年収1500万円でも半数は不満

    キャリコネニュース

  10. 10

    加計学園はマスコミに全てを語れ

    早川忠孝

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。